Webデザイナーに興味があるけれど、実際にどんな仕事をしているのか具体的にイメージできない方は多いのではないでしょうか。Webデザイナーの業務内容は、デザイン制作だけでなく、コーディングやクライアント対応まで多岐にわたります。
この記事では、未経験者がWebデザイナーの仕事を理解できるよう、主な業務内容、制作物の種類、使用ツール、働き方のパターン、1日のスケジュール例まで詳しく解説します。Webデザイナーとしてのキャリアを検討している方にとって、適性を見極める参考になる内容です。また、「【関連記事】:Webデザイナーに向いている人の特徴7選|適性診断と未経験からの目指し方」も参考に、自分の適性を確認することをお勧めします。
Webデザイナーの主な仕事内容3つ
Webデザイナーの業務は、大きく分けて「デザイン制作」「コーディング・実装」「クライアント対応」の3つに分類されます。それぞれの業務内容を具体的に見ていきましょう。
Webサイトのデザイン制作
Webサイトの視覚的なデザインを作成する業務です。デザインツールを使って、Webサイトの配色、レイアウト、フォント、画像、アイコンなどを決定し、ユーザーが使いやすく美しいデザインを制作します。
具体的には、ワイヤーフレーム(サイトの骨組み)の作成から始まり、デザインカンプ(完成見本)の制作、デザインシステムの構築などを行います。クライアントのブランドイメージを理解し、ターゲットユーザーに合わせた配色や構成を考えることが重要です。
PhotoshopやIllustratorでの画像編集、FigmaやAdobe XDでのUIデザインなど、複数のデザインツールを使いこなすスキルが求められます。レスポンシブデザインを考慮し、スマートフォンやタブレットでも見やすいデザインを作成する必要があります。デザインスキルの習得を目指す場合は、「【関連記事】:Webデザイナーに必要なスキル完全ガイド|未経験から習得すべき技術と知識」を参考にしてください。
コーディング・実装作業
デザインをWebブラウザで表示できる形にするため、HTMLやCSSでコーディングする業務です。デザインカンプをもとに、文字や画像、レイアウトをコードで再現していきます。
基本的なHTML/CSSのコーディングに加え、JavaScriptを使った動的な表現の実装も行います。近年では、レスポンシブデザインの実装が必須となっており、PC・タブレット・スマートフォンなど、あらゆる画面サイズに対応したコーディングスキルが求められます。
また、WordPressなどのCMSへの組み込みや、アクセシビリティを考慮したマークアップなど、ユーザビリティとSEOを両立させる技術的な知識も必要です。コーディング作業は、デザインと実装の両方を理解することで、より実現可能なデザインを生み出すことにつながります。コーディング技術を深掘りしたい方は、「【関連記事】:WebデザイナーのためのHTML/CSS/JavaScript学習ガイド|どこまで学ぶべきか解説」をご覧ください。
クライアント対応・ディレクション
クライアントとの打ち合わせや要件のヒアリング、デザイン提案、修正対応などのコミュニケーション業務です。クライアントのビジネス目標を理解し、それをデザインで実現するための提案を行います。
具体的には、初回のヒアリングで目的やターゲット、競合サイトの分析を行い、デザインの方向性を決定します。デザインカンプを作成後、プレゼンテーションを行い、クライアントのフィードバックに基づいて修正を加えていきます。
経験を積むと、プロジェクト全体のディレクション業務を担当することもあります。スケジュール管理、チームメンバーへの指示、品質管理など、マネジメントスキルも求められるようになります。デザインスキルだけでなく、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も重要な要素です。
Webデザイナーが手がける制作物の種類
Webデザイナーが制作する成果物は多岐にわたります。それぞれの制作物には特有の要件や目的があり、求められるデザインアプローチも異なります。
コーポレートサイト・企業サイト
企業の公式Webサイトのデザイン制作です。会社概要、事業内容、採用情報、お問い合わせフォームなど、企業の顔となるサイトを作成します。
コーポレートサイトでは、企業のブランドイメージを正確に表現し、信頼感を与えるデザインが求められます。訪問者が求める情報にスムーズにアクセスできるよう、情報設計とナビゲーションデザインが重要です。採用ページでは求職者に訴求するデザイン、IR情報ページでは投資家向けの信頼性を重視したデザインなど、ページごとに目的に応じたアプローチが必要になります。
ECサイト・ショッピングサイト
オンラインショップのデザイン制作です。商品ページ、カート機能、決済ページなど、購入までの導線設計とデザインを行います。
ECサイトでは、商品の魅力を最大限に伝えるビジュアルデザインと、購入率を高めるUI/UXデザインが重要です。商品検索のしやすさ、カートへの追加のスムーズさ、決済プロセスの分かりやすさなど、ユーザーの購買行動を理解したデザインが求められます。また、スマートフォンからの購入が増加しているため、モバイルファーストのデザイン設計が不可欠です。
LP(ランディングページ)・プロモーションサイト
広告やキャンペーン用の1ページ完結型のWebサイトデザインです。商品やサービスの魅力を伝え、問い合わせや購入などのコンバージョンを獲得することが目的です。
LPデザインでは、ファーストビューで訪問者の興味を引き、ストーリー性のある構成で最後まで読ませる設計が重要です。キャッチコピー、ビジュアル、CTAボタンの配置など、マーケティング視点を持ったデザインが求められます。A/Bテストを実施し、コンバージョン率を改善するための継続的なデザイン最適化も行います。
その他のWeb制作物
上記以外にも、Webアプリケーションの管理画面デザイン、メールマガジンのHTMLテンプレート、バナー広告、SNS用のビジュアルコンテンツなど、様々な制作物があります。
Webアプリケーションでは、複雑な機能を分かりやすく操作できるUIデザインが求められます。管理画面のダッシュボードデザインでは、データの可視化や直感的な操作性が重要です。また、メールマガジンのデザインでは、様々なメールクライアントでの表示崩れを防ぐための特殊なコーディング知識も必要になります。
Webデザイナーが使用する主なツール・ソフト
Webデザイナーの業務を効率的に進めるためには、様々なツールやソフトウェアを使いこなす必要があります。職場や案件によって使用するツールは異なりますが、代表的なものを紹介します。
デザインツール
Figmaは、近年最も使用されているWebデザインツールです。ブラウザ上で動作するため、チームでのリアルタイム共同編集が可能で、クライアントへの共有も簡単です。プロトタイプ作成機能もあり、デザインから動作確認まで一貫して行えます。
Adobe XDも人気のあるUIデザインツールで、デザインカンプの作成からプロトタイピングまで対応しています。Photoshopは写真編集や画像加工に使用され、Illustratorはロゴやアイコンなどのベクターグラフィックス制作に用いられます。これらのAdobe製品は、多くの制作現場で標準的に使用されているため、基本操作を習得しておくことが推奨されます。
コーディングツール
Visual Studio Code(VS Code)は、最も広く使われているコードエディタです。拡張機能が豊富で、HTML/CSSのコーディング効率を大幅に向上させることができます。入力補完やエラーチェック、プレビュー機能など、コーディングを支援する機能が充実しています。
Google ChromeやFirefoxなどのブラウザに搭載されているデベロッパーツール(開発者ツール)も必須です。デザインの検証、レスポンシブ表示の確認、CSSのデバッグなど、実装時の確認作業に欠かせません。また、Gitを使ったバージョン管理も、チーム開発では標準的に使用されています。
その他の業務支援ツール
プロジェクト管理ツールとして、BacklogやTrello、Asanaなどが使用されます。タスクの進捗管理やスケジュール調整、チームメンバーとの情報共有に役立ちます。
コミュニケーションツールでは、SlackやChatwork、Microsoft Teamsなどが一般的です。クライアントやチームメンバーとの連絡、ファイル共有、簡単な質問のやり取りなどに使用します。Zoomなどのビデオ会議ツールも、リモートワークが普及した現在では必須のツールとなっています。
Webデザイナーの働き方3パターン
Webデザイナーの働き方は、所属する組織や雇用形態によって大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った働き方を選ぶことが重要です。
制作会社・Web制作会社勤務
Web制作を専門とする会社で働く形態です。複数のクライアント案件を並行して担当し、様々な業種・業態のWebサイト制作に関わることができます。
制作会社では、短期間で多種多様な案件を経験できるため、デザインスキルを幅広く磨くことができます。チーム体制で働くため、先輩デザイナーやディレクターから直接フィードバックを受けられる環境も魅力です。一方で、納期が厳しい案件が多く、繁忙期には残業が発生することもあります。クライアントの要望に応じた柔軟な対応力と、スピード感を持った制作スキルが求められます。未経験からWebデザイナーを目指す場合、制作会社で経験を積むケースが多く、キャリアのスタート地点として適しています。キャリアパスについて詳しく知りたい方は、「【関連記事】:Webデザイナーのキャリアパス9選|将来の選択肢と必要なスキルを徹底解説」を参照してください。
事業会社のインハウスデザイナー
一般企業の社内デザイナーとして、自社のWebサイトやサービスのデザインを担当する形態です。一つのブランドやサービスに深く関わり、継続的な改善を行っていきます。
インハウスデザイナーは、自社サービスの成長を肌で感じられることが大きなやりがいです。マーケティング部門や営業部門と連携し、ビジネス成果に直結するデザインを行います。制作会社と比べて働き方が安定しており、ワークライフバランスを保ちやすい傾向があります。ただし、デザインの幅は限定されるため、同じテイストのデザインに偏る可能性があります。他部署との調整や社内政治に関わる場面もあり、コミュニケーション能力が重要になります。
フリーランス・個人事業主
企業に所属せず、個人で案件を受注して働く形態です。クライアントとの直接契約や、クラウドソーシングサービスを通じた案件獲得など、働き方は多様です。
フリーランスの最大のメリットは、自分で仕事を選べる自由度の高さです。働く時間や場所を自分で決められ、報酬も自分の実力次第で増やすことができます。一方で、営業活動や事務処理、確定申告など、制作以外の業務も全て自分で行う必要があります。収入が不安定になるリスクもあるため、ある程度の実績とスキルを身につけてから独立することが推奨されます。また、クライアントとの信頼関係構築や継続案件の獲得が、安定した収入を得るための鍵となります。フリーランスの働き方について詳しく知りたい方は、「【関連記事】:フリーランスWebデザイナーになるには?案件獲得から年収アップまで完全ガイド」を参照してください。
Webデザイナーの1日の仕事スケジュール例
Webデザイナーの具体的な働き方をイメージできるよう、制作会社勤務とインハウスデザイナーの1日のスケジュール例を紹介します。
制作会社勤務の場合
9:00 出社・メールチェック。クライアントからの修正依頼や社内の連絡事項を確認します。10:00 午前中のメイン業務として、コーポレートサイトのトップページデザイン制作。Figmaでワイヤーフレームをもとにビジュアルデザインを作成します。
12:00 昼休憩。13:00 クライアントとのオンラインミーティング。前日提出したデザインカンプのフィードバックを受け、修正箇所を確認します。14:00 フィードバックをもとにデザインを修正。配色の調整やレイアウトの変更を行います。
16:00 別案件のLP(ランディングページ)のコーディング作業。HTML/CSSでデザインを実装し、レスポンシブ対応を行います。17:30 明日のタスクを整理し、進捗をプロジェクト管理ツールに記録。18:00 退社。繁忙期は残業することもありますが、通常期は定時で帰宅できることが多いです。詳細なスケジュール例については、「【関連記事】:Webデザイナーの1日を完全公開|会社員とフリーランスのリアルなスケジュール」もご参照ください。
インハウスデザイナーの場合
9:30 出社・Slackで社内メンバーと情報共有。10:00 週次の部署ミーティングに参加。マーケティングチームから新しいキャンペーンの企画説明を受け、制作スケジュールを確認します。11:00 自社ECサイトの商品ページデザインのA/Bテスト結果を分析。コンバージョン率向上のための改善案を検討します。
12:00 昼休憩。13:00 午後はデザイン制作に集中。新商品のLPデザインをAdobe XDで作成します。15:00 完成したデザインをマーケティング担当者にSlackで共有し、フィードバックを依頼します。
15:30 フロントエンドエンジニアと打ち合わせ。先週実装した機能のデザイン調整について相談します。16:30 バナー広告のデザイン制作。複数のサイズバリエーションを作成します。17:30 明日のタスクを確認し、Backlogで進捗を更新。18:00 退社。インハウスデザイナーは比較的定時で帰宅しやすい環境です。
他職種との関わり方・チーム体制
Webデザイナーは単独で仕事を完結させることは少なく、様々な職種のメンバーと協力しながらプロジェクトを進めます。円滑なコミュニケーションがプロジェクト成功の鍵となります。
ディレクター・プロジェクトマネージャー
プロジェクト全体の進行管理を担当する役割です。クライアントとの窓口となり、要件定義、スケジュール管理、品質管理を行います。
Webデザイナーは、ディレクターから案件の概要説明を受け、デザインの方向性やスケジュールを確認します。制作中は定期的に進捗報告を行い、問題が発生した場合は早めに相談します。ディレクターはデザインのクオリティチェックも行うため、提出前に自分で確認を徹底することが重要です。
フロントエンドエンジニア・コーダー
デザインを実際にWebサイトとして実装する役割です。デザイナーが作成したデザインカンプをもとに、HTML/CSS/JavaScriptでコーディングを行います。
デザイナーは、実装可能なデザインを心がけ、必要に応じてエンジニアと仕様を相談します。デザインファイルの引き渡し時には、余白のサイズ、フォント情報、カラーコードなどを明確に伝えます。実装後のデザイン確認も行い、意図した通りに表示されているかチェックします。お互いの専門領域を尊重しながら、より良い成果物を作り上げる協力関係が求められます。
マーケター・クライアント
ビジネス目標を設定し、Webサイトの成果を評価する役割です。マーケターは自社サービスの場合、クライアントは外部案件の場合に関わります。
デザイナーは、マーケターやクライアントからビジネス要件やターゲットユーザーの情報を受け取り、それをデザインで実現します。デザイン提案の際には、なぜそのデザインが効果的なのかを論理的に説明する必要があります。公開後はアクセス解析データをもとに改善提案を行い、継続的にデザインを最適化していきます。ビジネス視点を持ったデザイン提案ができると、信頼関係が深まり、より良いプロジェクト成果につながります。
まとめ:Webデザイナーの仕事内容を理解して適性を見極めよう
Webデザイナーの仕事内容は、デザイン制作、コーディング、クライアント対応と多岐にわたります。制作物も、コーポレートサイトからECサイト、LPまで様々で、それぞれに求められるスキルやアプローチが異なります。
働き方も、制作会社で幅広い経験を積むか、インハウスデザイナーとして一つのサービスに深く関わるか、フリーランスとして自由に働くかなど、選択肢は豊富です。どの働き方を選ぶかによって、日々の業務内容や求められるスキルも変わってきます。また、気になる年収については「【関連記事】:Webデザイナーの年収を徹底分析|未経験者の初年度から経験別の給料相場まで」で詳しく解説しています。
Webデザイナーとして成功するには、デザインスキルだけでなく、コーディングの基礎知識、コミュニケーション能力、ビジネス視点も必要です。この記事で紹介した内容を参考に、自分の適性や興味に合った働き方を見つけ、Webデザイナーとしてのキャリアをスタートさせましょう。
