「雑踏警備業務検定って何?」「イベント警備に必要な資格?」
結論からお伝えすると、雑踏警備業務検定2級は誰でも受験可能な国家資格です。イベントや祭りなどの警備現場では、この資格を持った警備員の配置が法律で義務付けられています。
この記事では、雑踏警備業務検定の概要、特別講習と直接検定の違い、実技試験6科目の具体的内容、最新の合格率データまで、資格取得に必要な情報を網羅的に解説します。
雑踏警備業務検定とは
雑踏警備業務検定は、警備業法に基づく国家資格です。正式名称は「雑踏警備業務検定(1級、2級)」で、イベント会場や祭りなど多くの人が集まる場所での警備を行う1号警備業務の専門性を証明します。
警備業務検定は全6種類あり、雑踏警備業務検定はその1つです。イベント警備に特化した資格として、コンサート、花火大会、スポーツイベント、祭りなどの現場で活躍できます。
雑踏警備の仕事内容
雑踏警備とは、多くの人々が集中することによる群集事故や雑踏事故を防ぐための警備です。
主な業務内容
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 人員整理・誘導 | 来場者の流れをコントロールし、混雑を緩和 |
| 案内業務 | 会場内の施設や出口への案内 |
| 歩行路の確保 | 緊急車両の通行路や避難経路の確保 |
| 不審物の発見 | 危険物や不審物の監視・通報 |
| 緊急時の対応 | 事故発生時の避難誘導、救護活動 |
大規模なイベントでは、警備計画の立案から関わることもあり、現場責任者としてのスキルも求められます。
警備業務検定の種類について詳しくは、「関連記事:警備業務検定とは|6種類の資格と取得方法を完全解説」をご覧ください。
なぜ需要が高いのか?配置基準を解説
神奈川県警察の配置基準によると、雑踏警備業務では検定合格警備員の配置が法律で義務付けられています。
| 配置基準 | 必要人数 |
|---|---|
| 雑踏警備を行う場所・区域ごと | 1級or2級合格者1人以上 |
| 複数区域を統括する場合 | 1級合格者1人以上 |
つまり、イベント警備の現場には必ず有資格者が必要です。そのため、資格保有者は会社から重宝され、資格手当の対象となります。
配置人数は、場所の広さ、予想される雑踏状況、従事警備員数などを考慮して決定されます。
未経験でも取得できる?受験資格を解説
雑踏警備業務検定2級は、誰でも受験可能です。
警備業法で定められた欠格事由に該当しなければ、警備業界での実務経験がなくても受験できます。「警備員になろうとする者」向けの講習も用意されており、未経験から資格取得を目指せます。
1級との違い
| 項目 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|
| 受験資格 | 誰でも可 | 2級取得後、実務経験1年以上 |
| 役割 | 現場での警備業務 | 現場責任者・管理職 |
| 合格率(2024年度) | 65.2% | 63.3% |
| 業務範囲 | 区域内の警備 | 警備計画立案・複数区域の統括 |
1級を受験するには、2級取得後に1年以上の実務経験が必要です。1級取得者は警備計画書・警備指令書の作成や、現場リーダーとしての役割を担います。
まずは2級の取得から始めましょう。
未経験から警備員を目指す方は、「関連記事:未経験から警備員になる完全ガイド|採用条件・研修制度」も参考にしてください。
資格取得の2つの方法【特別講習 vs 直接検定】
雑踏警備業務検定2級を取得するには、特別講習と直接検定の2つの方法があります。
特別講習とは
警備員特別講習事業センターなど、国家公安委員会の登録を受けた講習機関が実施する講習会です。学科講習と実技講習を受けた後、修了考査に合格すると資格が取得できます。
現役警備員向け講習(2日間)
| 内容 | 時間 |
|---|---|
| 学科講習 | 7時限(1時限50分) |
| 実技講習 | 5時限 |
| 修了考査 | 4時限 |
| 受講料 | 33,000円(税込) |
未経験者向け講習
警備員特別講習事業センターでは「これから警備員になろうとする者」向けの講習も開催しています。個人での申し込みが可能です。
※警備員向けの特別講習は、所属する警備会社を通じてしか申し込みができません。
修了考査の合格基準は、学科・実技ともに90点以上です。
直接検定とは
講習を受けずに、各都道府県の公安委員会が実施する検定試験を直接受験する方法です。独学で学科・実技の両方に合格する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | 約16,000円 |
| 合格基準 | 学科・実技ともに90点以上 |
| 受験資格 | 欠格事由に該当しなければ誰でも可 |
どちらを選ぶべき?比較表
| 比較項目 | 特別講習 | 直接検定 |
|---|---|---|
| 費用 | 33,000円〜 | 約16,000円 |
| 合格率 | 約65% | 低め(非公開) |
| 学習サポート | 講師から直接指導 | 独学 |
| 実技練習 | 講習内で練習可能 | 自主練習のみ |
| おすすめ | 初めて受験する方 | 費用を抑えたい経験者 |
特別講習の合格率は**2024年度で65.2%**です(警備員特別講習事業センター公表データ)。
一方、直接検定は合格率が非公開ですが、講習なしで実技試験をクリアするのは難しいとされています。
初めて受験する方は、特別講習がおすすめです。多くの警備会社では資格取得費用を会社が負担してくれるため、入社前に確認しておきましょう。
2026年 試験日程
特別講習
特別講習は各地域の警備業協会で随時開催されています。
| 地域 | 問い合わせ先 |
|---|---|
| 全国 | 警備員特別講習事業センター |
| 東京 | 東京都警備業協会 |
| 大阪 | 大阪府警備業協会 |
| 愛知 | 愛知県警備業協会 |
| 広島 | 広島県警備業協会 |
申し込みは会社単位で受け付けている協会が多いため、所属する警備会社を通じて申し込みましょう。
直接検定
直接検定は各都道府県で年1〜2回実施されます。日程は各都道府県警察本部のウェブサイトで確認してください。
※日程は変更される場合があります。最新情報は各協会の公式サイトでご確認ください。
試験内容
学科試験
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題数 | 20問 |
| 試験時間 | 60分 |
| 合格基準 | 90%以上(18問以上正解) |
| 形式 | 5択マークシート |
出題範囲
- 警備業務の基本的事項・実施の基本原則
- 警備員の資質の向上
- 警備業法と関係法令
- 雑踏警備業務に必要な法令
- 群集の規制・特性
- 雑踏警備業務用資機材の種類・使用用途
- 事故発生時における応急措置
- 護身用具の取扱い
実技試験
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験科目 | 6科目 |
| 合格基準 | 90点以上 |
| 採点方式 | 減点方式 |
実技試験6科目の詳細
| 科目 | 内容 |
|---|---|
| 群集の整列規制要領 | 群集を整列させ、安全に誘導する技術 |
| 負傷者の搬送要領 | 片足捻挫者・意識喪失者の搬送、回復体位 |
| 徒手護身術 | 構え・体さばき・離脱技の基本動作 |
| 緊急車両の誘導広報要領 | 緊急車両の通行路確保、通行者への適切なアナウンス |
| 群集規制要領 | 群集の流れをコントロールする技術 |
| 警備隊本部への連絡要領 | 無線・電話による状況報告 |
実技試験では、動作の正確さ、声の大きさ、状況判断力が評価されます。特に群集規制や緊急車両誘導は、大きな声で明確に指示を出すことが重要です。
警備員の仕事内容について詳しくは、「関連記事:警備員の仕事内容完全ガイド|4つの業務区分と職場環境」をご覧ください。
合格率と難易度
最新の合格率データ
| 区分 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2級(2024年度) | 7,270人 | 4,737人 | 65.2% |
| 1級(2024年度) | 177人 | 112人 | 63.3% |
| 2級(累計H18〜R6) | 156,110人 | 94,202人 | 60.3% |
| 1級(累計H18〜R6) | 5,795人 | 3,558人 | 61.4% |
特別講習を受講した場合の合格率は**約65%**です。しっかり準備すれば十分合格可能な難易度といえます。
合格するための学習計画
試験1ヶ月前から
- 学科対策:テキストを毎日読み込む
- 実技対策:護身術の基本動作を繰り返し練習
- 声出し練習:大きな声でアナウンスする習慣をつける
講習中のポイント
- 講師の説明をメモとマーカーで記録
- 実技は恥ずかしがらず大きな声で
- 分からないことは講師に質問
不合格の場合
修了考査で不合格になった場合、講習会受講証明書が交付されます。有効期間は1年間で、その間に1回だけ再講習(13,200円)を受講できます。
資格取得後のメリット
資格手当で年収アップ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月額資格手当 | 5,000〜10,000円 |
| 年間換算 | 60,000〜120,000円 |
| 日給上乗せ(アルバイト) | 1,000〜5,000円 |
有資格者は日給1万〜1.5万円が相場となり、無資格者(日給9,000円前後)より高い報酬が期待できます。
警備員の給与について詳しくは、「関連記事:警備員の年収を徹底分析|平均給与・業務別・年齢別」をご覧ください。
キャリアアップ
- 配置義務の対象:有資格者は現場に必ず必要とされる
- 1級取得への道:2級取得後、実務経験1年以上で受験可能
- 現場責任者への昇進:1級取得で警備計画の立案も担当
- 転職で有利:有資格者は即戦力として評価される
警備業界でのキャリアパスについては、「関連記事:警備員のキャリアパス完全ガイド|資格・昇進・年収」も参考にしてください。
まとめ
雑踏警備業務検定は、イベント警備に必須の国家資格です。
この記事のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 誰でも可(欠格事由に該当しなければ) |
| 取得方法 | 特別講習(合格率65%)または直接検定 |
| 費用 | 特別講習33,000円〜、直接検定約16,000円 |
| 試験内容 | 学科20問(90%以上)+実技6科目(90点以上) |
| 配置基準 | 場所・区域ごとに有資格者1人以上 |
| メリット | 月5,000〜10,000円の資格手当、キャリアアップ |
初めて受験する方は、特別講習の受講がおすすめです。講師から実技指導を受けられ、合格率が大幅に上がります。
イベント警備の需要は年々増加しています。コンサート、花火大会、スポーツイベントなど、多くの人が集まる場所で活躍したい方は、ぜひ雑踏警備業務検定の取得を目指してください。













