「警備業界って将来性あるの?」「人手不足って聞くけど、実際どうなの?」「AIやロボットに仕事を奪われない?」
結論からお伝えすると、警備業界は市場規模3兆4,477億円の成長産業であり、将来性は十分にあります。
有効求人倍率6.58倍という深刻な人手不足を背景に、給与・待遇の改善が急速に進んでおり、未経験者でも転職しやすい状況が続いています。一方で、2025年問題による高齢化や、AI・ロボットによるDX化など、業界は大きな変革期を迎えています。
この記事では、警察庁「令和6年における警備業の概況」や厚生労働省の統計データをもとに、警備業界の最新動向と将来性を徹底解説します。
警備業界の動向と将来性【結論】
最初に、警備業界の動向と将来性について結論をまとめます。
| 項目 | 内容 | 評価 |
|---|---|---|
| 市場規模 | 3兆4,477億円(前年比1.9%増) | 成長中 |
| 警備業者数 | 10,811業者(過去最多) | 拡大中 |
| 警備員数 | 587,848人(過去最多) | 増加中 |
| 有効求人倍率 | 6.58倍(全産業平均の約5倍) | 超売り手市場 |
| 人手不足率 | 93.7%の事業者が「不足」と回答 | 深刻 |
| DX化 | AI・ロボット・ドローン導入が加速 | 急速に進展 |
| 平均年収 | 354万円~376万円 | 上昇傾向 |
警備業界の将来性が高い理由は3つあります。
- 安定した需要: 社会インフラとして景気に左右されにくい
- 売り手市場の継続: 人手不足により未経験者でも採用されやすい
- 待遇改善の加速: 人材確保のため給与・福利厚生が向上
一方で、注意すべき点も存在します。
- 2025年問題による高齢化(平均年齢50代後半)
- AI・ロボットによる業務の自動化
- 技術習得が求められる時代への変化
これらの動向を踏まえ、以下で詳しく解説していきます。
警備業界の市場規模と成長性【2026年最新データ】
警備業界の市場規模は、着実に成長を続けています。
市場規模の推移
警察庁「令和6年における警備業の概況」によると、2024年の警備業界の全体像は以下のとおりです。
| 項目 | 数値 | 前年比 |
|---|---|---|
| 市場規模(総契約額) | 3兆4,477億円 | +1.9% |
| 警備業者数 | 10,811業者 | +1.9% |
| 警備員数 | 587,848人 | +0.5% |
市場規模、警備業者数、警備員数のいずれも過去最多を更新しており、業界全体が成長軌道にあることがわかります。
業務区分別の構成比
警備業務は大きく4つの区分に分類されます。
| 業務区分 | 主な業務内容 | 売上構成比 |
|---|---|---|
| 1号警備(施設警備) | 商業施設、オフィスビル、マンションの常駐警備 | 約50% |
| 2号警備(交通誘導・雑踏) | 工事現場の交通誘導、イベント会場の雑踏警備 | 約35% |
| 3号警備(運搬警備) | 現金輸送、貴重品運搬 | 約10% |
| 4号警備(身辺警護) | ボディガード、要人警護 | 約5% |
**施設警備と交通誘導警備で全体の約85%**を占めており、この2つの分野が業界の中心となっています。
成長を支える要因
警備業界の成長を支える主な要因は以下の4つです。
1. 大規模イベント・都市開発の継続
- 2025年大阪・関西万博
- リニア中央新幹線の建設
- 都市再開発プロジェクト
2. インフラ老朽化対策
- 高速道路、橋梁、トンネルの点検・補修
- 建物の大規模修繕工事
3. セキュリティ意識の高まり
- 企業のBCP(事業継続計画)対策
- マンション・住宅のセキュリティ強化
- サイバーセキュリティと連動した物理セキュリティ
4. 高齢化社会への対応
- 見守りサービスの需要増加
- 緊急対応サービスの拡大
警備業界の人手不足の実態【有効求人倍率6.58倍】
警備業界は深刻な人手不足に直面しています。
人手不足の現状
全国警備業協会の調査によると、93.7%の警備業者が「人手不足」と回答しています。
厚生労働省「職業安定業務統計」によると、警備員の有効求人倍率は6.58倍(2024年)で、全産業平均(約1.2倍)の約5倍という高水準です。
| 職種 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 警備員 | 6.58倍 |
| 建設作業員 | 5.2倍 |
| 介護職員 | 3.8倍 |
| 全産業平均 | 1.2倍 |
1人の求職者に対して6件以上の求人がある状態であり、転職者にとっては圧倒的な売り手市場となっています。
人手不足の原因
警備業界の人手不足には、以下の構造的な要因があります。
1. 労働環境のイメージ
- 夜勤・交代制勤務への抵抗感
- 屋外業務の体力的な負担
- 給与水準への不安
2. 若年層の参入不足
- 他業種との人材獲得競争
- 警備職の認知度・イメージの問題
3. 高齢化の進行
- 警備員の平均年齢は50代後半
- 60歳以上が全体の約40%を占める
人手不足がもたらすチャンス
人手不足は、求職者にとって大きなチャンスでもあります。
未経験者へのメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 採用されやすい | 経験・学歴不問の求人が多い |
| 給与上昇 | 人材確保のため賃上げが加速 |
| 待遇改善 | 福利厚生・休暇制度が充実 |
| キャリアアップ | 人材不足で昇進機会が増加 |
| 資格取得支援 | 費用会社負担の企業が増加 |
2025年問題とは?警備業界への影響
「2025年問題」は、警備業界に大きな影響を与えています。
2025年問題の概要
2025年問題とは、団塊の世代(1947~1949年生まれ)が75歳以上の後期高齢者となることで発生する社会問題の総称です。
警備業界においては、以下の影響が懸念されています。
1. 警備員の大量退職
- 60代以上の警備員が多く、今後10年で大量退職の可能性
- 経験豊富なベテラン人材の流出
2. 高齢化による業務制限
- 体力を要する業務への従事が困難に
- 夜勤・長時間勤務の制限
3. 警備需要の変化
- 高齢者向け見守りサービスの需要増加
- 医療・介護施設の警備需要拡大
業界の対応策
警備業界では、2025年問題への対応として以下の取り組みが進んでいます。
1. DX化による業務効率化
- AI・ロボットによる省人化
- 遠隔監視システムの導入
2. 若年層の採用強化
- 初任給の引き上げ
- 働き方改革の推進
- キャリアパスの明確化
3. シニア人材の活用
- 軽作業中心の業務設計
- 短時間勤務制度の導入
- 健康管理サポートの充実
警備業界のDX化と技術革新【AIロボット・ドローン】
警備業界では、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が急速に進んでいます。
警備ロボットの導入
大手警備会社を中心に、自律走行型警備ロボットの導入が進んでいます。
| 企業 | ロボット名 | 特徴 |
|---|---|---|
| セコム | cocobo | 公道走行可能な屋外警備ロボット |
| ALSOK | REBORG-Z | 施設内巡回・受付案内対応 |
| セコム | セコムロボットX | 商業施設向け巡回警備 |
警備ロボットの主な機能
- 24時間自律巡回
- AIカメラによる不審者検知
- 火災・異臭の早期発見
- 緊急時の自動通報
AI・画像解析技術
AI技術は、警備業務の効率化に大きく貢献しています。
AIの活用例
- 顔認証システム: 不審者の早期発見・追跡
- 行動解析: 異常行動パターンの自動検知
- 混雑予測: イベント会場の人流管理
- 映像解析: 複数カメラ映像の統合監視
ドローン警備
ドローンの活用も広がっています。
ドローン警備の活用シーン
- 工事現場の上空監視
- 広大な敷地のパトロール
- 災害時の被災状況確認
- 太陽光発電施設の点検
ドローン警備のメリット
- 人間がアクセスしにくい場所の監視
- 夜間の赤外線カメラ監視
- 広範囲の効率的なパトロール
DX化が警備員に与える影響
DX化は、警備員の仕事を「奪う」のではなく、「変える」ものです。
減少する業務
- 定型的な巡回業務
- 単純な監視業務
増加する業務
- システム監視・操作
- 緊急時の対応・判断
- 顧客対応・コミュニケーション
- ロボット・ドローンの管理
DX化の詳細については、「関連記事:警備業界のDX最新動向2026|AI・ロボット・ドローンの導入事例と現場の変化」で解説しています。
大手警備会社の動向【セコム・ALSOK】
業界の動向を知るうえで、大手警備会社の動きは重要な指標となります。
セコム
セコムの基本情報(2025年3月期)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上高 | 1兆1,999億円 |
| 従業員数 | 約60,000人(連結) |
| 主要事業 | セキュリティ、防災、メディカル、保険、地理情報 |
セコムの注目動向
- cocobo: 公道走行可能な屋外警備ロボットを開発
- セコムあんしん見守りサービス: 高齢者向けサービスを拡充
- サイバーセキュリティ事業: 物理警備とサイバー警備の融合
セコムについて詳しくは「関連記事:セコムの評判・年収・働き方を徹底解説」をご覧ください。
ALSOK(綜合警備保障)
ALSOKの基本情報(2025年3月期)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上高 | 5,518億円 |
| 従業員数 | 約36,000人(連結) |
| 主要事業 | 機械警備、常駐警備、運輸警備、介護 |
ALSOKの注目動向
- REBORG-Z: 施設警備ロボットの本格展開
- DX戦略部: 2024年に新設、DX推進を加速
- 介護事業: ALSOKあんしんケアサポートを展開
ALSOKについて詳しくは「関連記事:ALSOKの評判・年収・働き方を徹底解説」をご覧ください。
大手と中小の違い
警備会社の規模による違いを理解しておくことも重要です。
| 項目 | 大手警備会社 | 中小警備会社 |
|---|---|---|
| 給与水準 | 高め(年収400万円~) | 低め(年収300万円~) |
| 福利厚生 | 充実 | 最低限 |
| 研修制度 | 体系的・充実 | OJT中心 |
| キャリアパス | 明確 | 不明確な場合も |
| DX化 | 先進的 | これから |
| 転勤 | あり | 少ない |
詳しい比較は「関連記事:大手警備会社ランキング2026|売上・年収・評判で徹底比較」で解説しています。
警備業界の課題と対策
成長を続ける警備業界ですが、いくつかの課題も抱えています。
主な課題
1. 人材確保・育成
- 若年層の採用難
- ベテラン人材の退職
- 教育・研修コストの増加
2. 労働環境
- 夜勤・交代制勤務の負担
- 屋外業務の過酷さ(猛暑・厳寒)
- 長時間労働の是正
3. 待遇面
- 他業種と比較した給与水準
- 非正規雇用の比率の高さ
4. 技術対応
- DX化への投資負担
- デジタルスキルを持つ人材の確保
業界全体の対策
これらの課題に対し、業界全体で以下の取り組みが進んでいます。
待遇改善
- 基本給の引き上げ(過去5年で平均5~10%上昇)
- 資格手当の拡充
- 賞与・退職金制度の整備
労働環境の改善
- 空調服・暖房機器の支給
- 休憩室・仮眠室の整備
- 勤務シフトの柔軟化
教育制度の充実
- 資格取得費用の会社負担
- eラーニング研修の導入
- キャリアパスの明確化
転職先としての警備業界【未経験者向け】
警備業界は、未経験者にとって転職しやすい業界の一つです。
未経験者が転職しやすい理由
1. 採用基準
- 学歴不問の求人が多い
- 未経験歓迎の求人が豊富
- 年齢制限が緩やか(40代・50代も歓迎)
2. 研修制度
- 警備業法で新任教育が義務化(20時間以上)
- 入社後の手厚いOJT
- 資格取得支援制度
3. 売り手市場
- 有効求人倍率6.58倍
- 複数の求人から選べる
- 勤務地・勤務形態の選択肢が豊富
警備員の年収・給与
警備員の平均年収は以下のとおりです。
| 区分 | 平均年収 |
|---|---|
| 警備員全体 | 354万円~376万円 |
| 施設警備(未経験) | 300万円~350万円 |
| 交通誘導(未経験) | 280万円~330万円 |
| 大手警備会社(総合職) | 400万円~600万円 |
※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、各社採用情報より
資格取得によるキャリアアップ
警備員は資格を取得することで、着実にキャリアアップできます。
主な資格と効果
| 資格 | 取得難易度 | キャリアへの効果 |
|---|---|---|
| 施設警備業務検定2級 | 中 | 現場リーダーへの道 |
| 交通誘導警備業務検定2級 | 中 | 有資格者配置で重宝 |
| 警備員指導教育責任者 | 高 | 管理職への必須資格 |
| 機械警備業務管理者 | 中 | 機械警備部門の責任者 |
資格の詳細は「関連記事:警備員の資格完全ガイド|検定・管理者資格の全種類と取得順序」をご覧ください。
キャリアパス
警備員のキャリアパスは以下のように段階的に昇進できます。
一般警備員(入社)
↓
班長・リーダー(2~3年)
↓
隊長(5年前後)
↓
エリアマネージャー・営業所長(10年前後)
↓
本社管理職・役員
詳しくは「関連記事:警備員のキャリアパス完全ガイド|一般警備員から管理職」で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. AIやロボットに仕事を奪われませんか?
A. 完全に奪われることはありません。
AI・ロボットは定型的な巡回業務や監視業務を担当しますが、以下の業務は人間にしかできません。
- 緊急時の臨機応変な判断
- 来訪者・顧客とのコミュニケーション
- トラブル発生時の対応・調整
- ロボット・システムの管理・操作
今後求められるのは、テクノロジーと協働できる警備員です。詳しくは「関連記事:警備員の仕事はAIでなくなる?代替率データと生き残る5つの方法」をご覧ください。
Q2. 未経験・40代・50代でも転職できますか?
A. 十分に可能です。
警備業界は年齢制限が緩やかで、40代・50代からの転職者も多く活躍しています。
- 警備員の平均年齢は50代後半
- 60歳以上の警備員が全体の約40%
- 人生経験を活かせる対人業務
詳しくは「関連記事:未経験から警備員になる完全ガイド|採用条件・研修制度」をご覧ください。
Q3. 警備業界の将来性は本当にありますか?
A. 将来性は十分にあります。
その理由は以下のとおりです。
- 安定した需要: 社会インフラとして景気に左右されにくい
- 成長市場: 市場規模は過去最高を更新中
- 売り手市場: 人手不足により待遇改善が加速
- DX化の波: 新しいスキルを身につける機会
Q4. 夜勤や交代制勤務は必須ですか?
A. 必須ではありません。
勤務形態は会社や現場によって異なります。
- 日勤のみの施設警備
- 土日休みの交通誘導警備
- 週3~4日勤務の選択肢
求人を探す際に、希望の勤務形態を伝えることで、自分に合った働き方を選べます。
Q5. 資格がなくても始められますか?
A. 資格なしで始められます。
警備員として働くために、入社時点で資格は不要です。
- 入社後に新任教育(20時間以上)を受講
- 会社の資格取得支援制度を活用
- 働きながら資格を取得してキャリアアップ
まとめ
警備業界の動向と将来性について、2026年最新データをもとに解説しました。
この記事のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 市場規模 | 3兆4,477億円(過去最高) |
| 将来性 | 安定した需要、成長市場 |
| 人手不足 | 有効求人倍率6.58倍(超売り手市場) |
| 2025年問題 | 高齢化対策、DX化で対応 |
| DX化 | AI・ロボット・ドローンが普及 |
| 転職のしやすさ | 未経験・40代以上も歓迎 |
| 平均年収 | 354万円~376万円(上昇傾向) |
警備業界は、以下のような方におすすめです。
- 安定した業界で長く働きたい方
- 未経験から新しいキャリアを始めたい方
- 資格を取得してキャリアアップしたい方
- 社会貢献性の高い仕事に就きたい方
- 最新テクノロジーに触れながら働きたい方
人手不足を背景に待遇改善が進む今こそ、警備業界への転職を検討するのに良いタイミングです。












