「警備業務検定って何種類あるの?」「どれから取ればいいの?」
結論からお伝えすると、警備業務検定は6種類あり、それぞれに1級と2級があります。2級は誰でも受験可能で、合格率は特別講習で60〜92%と取得しやすい資格です。
この記事では、6種類の検定を一覧比較表で解説し、各検定の詳細ページへのリンクも掲載しています。あなたの業務に最適な資格を見つけてください。
警備業務検定とは
警備業務検定は、警備業法に基づく国家資格です。都道府県公安委員会が実施する検定で、警備員の専門的知識と技能を公的に証明します。
検定の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法令 | 警備業法 |
| 実施機関 | 都道府県公安委員会 |
| 種類 | 6種類(各1級・2級) |
| 有効期限 | 永続的に有効(更新不要) |
資格を取得すると月5,000〜20,000円の資格手当が支給され、昇進や転職にも有利になります。
1級と2級の違い
| 項目 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|
| 受験資格 | 誰でも可(18歳以上) | 2級取得後、実務経験1年以上 |
| 役割 | 現場での警備業務 | 現場責任者・管理職 |
| 合格率(特別講習) | 60〜92% | 60〜82% |
| 資格手当 | 月5,000〜10,000円 | 月10,000〜20,000円 |
2級は実務経験がなくても受験可能です。「警備員になろうとする者」向けの講習も用意されており、未経験から資格取得を目指せます。
警備員の資格全般については、「関連記事:警備員の資格完全ガイド|検定・管理者資格の全種類と取得順序」をご覧ください。
警備業務検定の全6種類【一覧比較表】
警備業務検定は、警備業務の種類ごとに6つに分かれています。
6種類の比較表
| 検定名 | 号数 | 主な業務 | 2級合格率 | 需要 |
|---|---|---|---|---|
| 施設警備 | 1号 | ビル・商業施設の警備 | 約77% | ★★★★★ |
| 交通誘導警備 | 2号 | 道路工事現場の誘導 | 60〜70% | ★★★★★ |
| 雑踏警備 | 1号 | イベント・祭りの警備 | 約65% | ★★★★☆ |
| 貴重品運搬警備 | 3号 | 現金輸送車の警備 | 約71% | ★★★☆☆ |
| 空港保安警備 | 1号 | 空港の保安検査 | 約92% | ★★★★☆ |
| 核燃料物質等危険物運搬警備 | 3号 | 核燃料の運搬警備 | 約75% | ★☆☆☆☆ |
※合格率は特別講習の修了考査データ(2022〜2024年)
4号警備(身辺警護・ボディガード)には検定制度がありません。
おすすめの取得順序
初めて資格を取る方には、以下の順序がおすすめです。
- 施設警備2級 or 交通誘導2級:受験者が多く、情報も豊富
- 業務に関連する検定:配属先に応じて選択
- 1級取得:2級合格後、1年以上の実務経験を積んでから
最も合格しやすいのは空港保安警備2級(合格率92%)ですが、求人は限られています。需要と合格率のバランスで選ぶなら、施設警備2級か交通誘導2級から始めるのがおすすめです。
施設警備業務検定(1号警備)
施設警備業務検定は、オフィスビル・商業施設・工場などの警備を専門とする資格です。警備業界で最も従事者が多い業務区分であり、キャリアアップの第一歩として多くの警備員が取得を目指します。
施設警備の主な業務
- 施設内の巡回・監視
- 出入管理(受付・鍵の管理)
- 火災・不審者への対応
- 防災センターでの監視業務
合格率と資格手当
| 級 | 特別講習合格率 | 直接検定合格率 | 資格手当 |
|---|---|---|---|
| 2級 | 約77% | 約40% | 月5,000〜10,000円 |
| 1級 | 約64% | − | 月10,000〜20,000円 |
空港や原子力施設など特定の現場では、検定合格者の配置が法律で義務付けられています。
詳細はこちら:
交通誘導警備業務検定(2号警備)
交通誘導警備業務検定は、道路工事や建設現場での交通誘導を専門とする資格です。警備業務検定の中で最も受験者が多い人気資格です。
交通誘導警備の主な業務
- 工事現場での車両・歩行者誘導
- 片側交互通行の実施
- 緊急時の二次災害防止
- 工事責任者との連携
合格率と資格手当
| 級 | 特別講習合格率 | 直接検定合格率 | 資格手当 |
|---|---|---|---|
| 2級 | 60〜70% | 20〜40% | 月5,000〜10,000円 |
| 1級 | 約61% | − | 月10,000〜20,000円 |
警備員等の検定等に関する規則第2条により、高速道路や指定路線では検定合格警備員の配置が法律で義務付けられています。
詳細はこちら:
雑踏警備業務検定(1号警備)
雑踏警備業務検定は、イベント会場・祭り・コンサート・花火大会での警備を専門とする資格です。大規模イベントの増加に伴い、需要が高まっている資格です。
雑踏警備の主な業務
- 群衆の整理・誘導
- 入退場の管理
- 事故防止(将棋倒し・群衆雪崩の防止)
- 緊急時の避難誘導
合格率と資格手当
| 級 | 特別講習合格率 | 資格手当 |
|---|---|---|
| 2級 | 約65% | 月5,000〜10,000円 |
| 1級 | 約63% | 月10,000〜20,000円 |
イベント警備の現場では、場所・区域ごとに検定合格者1人以上の配置が義務付けられています。
詳細はこちら:雑踏警備業務検定とは?2級の取得方法・試験内容・合格率を徹底解説
貴重品運搬警備業務検定(3号警備)
貴重品運搬警備業務検定は、現金輸送車での貴重品運搬を専門とする資格です。銀行やATMへの現金輸送など、高額な財産を守る責任の重い業務を担当します。
貴重品運搬警備の主な業務
- 現金・有価証券の輸送
- ATMへの現金補充
- 強盗対応・護身術
- 緊急時の通報・対応
合格率と資格手当
| 級 | 特別講習合格率 | 直接検定合格率 | 資格手当 |
|---|---|---|---|
| 2級 | 約71% | 20〜40% | 月5,000〜10,000円 |
| 1級 | 約82% | − | 月10,000〜20,000円 |
貴重品運搬を行う車両ごとに、有資格者を1名以上配置しなければならないと法律で定められています。
詳細はこちら:貴重品運搬警備業務検定2級とは?現金輸送のプロ資格を取得する方法
空港保安警備業務検定(1号警備)
空港保安警備業務検定は、空港ターミナルの保安検査場での警備を専門とする資格です。合格率92%と最も取得しやすい検定ですが、勤務先が空港に限られます。
空港保安警備の主な業務
- 搭乗者の保安検査(X線検査・金属探知)
- 手荷物検査
- 不審物の発見・通報
- 外国人旅行者への英語対応
合格率と資格手当
| 級 | 特別講習合格率 | 資格手当 |
|---|---|---|
| 2級 | 約92% | 月5,000〜10,000円 |
| 1級 | 約80% | 月10,000〜20,000円 |
インバウンド需要の増加に伴い、空港での警備需要は年々高まっています。英語力があると業務の幅が広がり、評価も高まります。
詳細はこちら:空港保安警備業務検定2級とは?航空セキュリティのプロ資格を取得する方法
核燃料物質等危険物運搬警備業務検定(3号警備)
核燃料物質等危険物運搬警備業務検定は、核燃料や放射性廃棄物の運搬を警備する専門資格です。6種類の中で最も特殊な検定で、実施警備会社はわずか9社しかありません。
核燃料物質等危険物運搬警備の主な業務
- 核燃料物質等を積載した車両の伴走警備
- 運搬中の盗難・事故防止
- 公安委員会への事前届出対応
- 緊急時の対応
合格率と資格手当
| 級 | 特別講習合格率 | 直接検定合格率 |
|---|---|---|
| 2級 | 約75% | 20〜40% |
| 1級 | 約63% | − |
業界構成比0.1%の希少な分野ですが、国家の安全に直結する極めて責任の重い仕事です。
詳細はこちら:核燃料物質等危険物運搬警備業務検定とは?取得方法・合格率・仕事内容を徹底解説
資格取得の2つの方法【特別講習 vs 直接検定】
警備業務検定を取得するには、特別講習と直接検定の2つの方法があります。
比較表
| 比較項目 | 特別講習 | 直接検定 |
|---|---|---|
| 費用 | 33,000〜79,200円 | 14,000〜16,000円 |
| 合格率 | 60〜92% | 20〜40% |
| 学習サポート | 講師から直接指導 | 独学 |
| 実技練習 | 講習内で練習可能 | 自主練習のみ |
| 申込方法 | 警備会社経由が多い | 個人で申込可 |
特別講習とは
警備員特別講習事業センターなど、国家公安委員会の登録を受けた講習機関が実施する講習会です。学科講習と実技講習を受けた後、修了考査に合格すると資格が取得できます。
警備員向け講習(2日間)
| 内容 | 時間 |
|---|---|
| 学科講習 | 7時限(1時限50分) |
| 実技講習 | 5時限 |
| 修了考査 | 4時限 |
| 受講料 | 33,000円(税込) |
修了考査の合格基準は、学科・実技ともに90点以上です。
直接検定とは
講習を受けずに、各都道府県の公安委員会が実施する検定試験を直接受験する方法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | 14,000〜16,000円 |
| 合格基準 | 学科・実技ともに90点以上 |
| 受験資格 | なし(誰でも可) |
直接検定は費用が安い反面、合格率が20〜40%と低く、独学での合格は難しいです。
どちらを選ぶべき?
初めて受験する方は、特別講習がおすすめです。
費用は高くなりますが、講師から実技指導を受けられるため、合格率が大幅に上がります。多くの警備会社では資格取得費用を会社が負担してくれるため、入社前に確認しておきましょう。
資格取得後のメリット
警備業務検定を取得すると、給与面とキャリア全体に大きな影響があります。
資格手当で年収アップ
| 級 | 月額資格手当 | 年間換算 |
|---|---|---|
| 2級 | 5,000〜10,000円 | 60,000〜120,000円 |
| 1級 | 10,000〜20,000円 | 120,000〜240,000円 |
複数の検定を取得すると、それぞれに資格手当が支給される会社もあります。例えば、施設警備2級と交通誘導2級の両方を取得すれば、合計で月10,000〜20,000円の手当となります。
警備員の給与について詳しくは、「関連記事:警備員の年収を徹底分析|平均給与・業務別・年齢別」をご覧ください。
キャリアアップへの影響
- 現場責任者・リーダーへの昇進:多くの会社で検定保有が要件
- 1級取得で管理職への道:警備計画の立案、部下の指導を担当
- 転職で有利:有資格者は需要が高く、即戦力として評価される
- 独立開業:警備業法で検定合格者の配置が義務付けられた業務もあり
警備業界でのキャリアパスについては、「関連記事:警備員のキャリアパス完全ガイド|一般警備員から管理職」も参考にしてください。
まとめ
警備業務検定は、警備員としてのキャリアアップに欠かせない国家資格です。
この記事のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検定の種類 | 6種類(施設・交通誘導・雑踏・貴重品運搬・空港保安・核燃料物質等) |
| 受験資格 | 2級は誰でも可、1級は2級取得後1年以上の実務経験 |
| 取得方法 | 特別講習(合格率60〜92%)または直接検定(合格率20〜40%) |
| 費用 | 特別講習33,000〜79,200円、直接検定14,000〜16,000円 |
| メリット | 月5,000〜20,000円の資格手当、キャリアアップ |
おすすめの第一歩は、施設警備2級か交通誘導2級です。受験者が多く情報も豊富なため、初めての資格取得に最適です。
各検定の詳細は、上記の個別記事をご覧ください。あなたの業務に最適な資格を見つけて、キャリアアップを実現しましょう。













