「警備員でも副業ってできるの?」「将来は独立して自分の警備会社を持ちたい」
結論からお伝えすると、警備員の副業は法的に禁止されておらず、独立開業も可能です。ただし、警備業法の規制や就業規則の確認、必要な資格取得など、押さえるべきポイントがあります。
この記事では、警備員の副業ルールから独立開業の条件、開業資金、経営者の年収、よくある失敗例まで、2026年最新情報を基に徹底解説します。
警備員の副業は法的にOK?警備業法と就業規則のルール
警備員が副業を始める前に、法律と会社のルールを確認しましょう。
警備業法上は副業禁止の規定なし
警備業法には、警備員の副業を禁止する規定はありません。つまり、法律上は警備員が副業を行うことは問題ないということです。
ただし、警備業法第14条では、警備員として働く際の「欠格事由」が定められています。副業そのものは欠格事由に該当しませんが、副業先で問題を起こした場合は本業に影響が出る可能性があります。
就業規則の確認は必須
法律上は問題なくても、勤務先の就業規則で副業が禁止されている場合があります。
| 就業規則のパターン | 対応 |
|---|---|
| 副業全面禁止 | 副業は控える(違反すると懲戒対象) |
| 届出制・許可制 | 所定の手続きを経て副業可能 |
| 特に規定なし | 副業可能(ただし本業に支障なきこと) |
近年は人手不足を背景に、副業を認める警備会社が増加傾向にあります。大手警備会社でも副業解禁の動きが広がっていますが、必ず自社の規定を確認してから副業を始めましょう。
同業他社での副業は要注意
同じ警備業界での副業は、競業避止義務に抵触する可能性があります。
特に注意が必要なケース:
- 本業の顧客を副業先で対応する
- 本業で知り得た営業情報を副業に活用する
- 本業の人材を副業先に引き抜く
同業での副業を考えている場合は、事前に会社に確認し、許可を得ることが重要です。
警備員におすすめの副業5選|収入・難易度を比較
警備員のスキルや経験を活かせる副業を、収入・難易度別に紹介します。
副業比較表
| 副業 | 時給・日給目安 | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 単発イベント警備 | 日給10,000〜15,000円 | 低 | 休日に働きやすい |
| 交通誘導(他社) | 日給9,000〜14,000円 | 低 | 案件が豊富 |
| 施設警備(スポット) | 日給12,000〜18,000円 | 中 | 資格があると有利 |
| 防犯コンサルティング | 時給3,000〜5,000円 | 高 | 経験10年以上推奨 |
| 警備関連の講師 | 日給20,000〜50,000円 | 高 | 資格・指導経験必須 |
1. 単発イベント警備
おすすめ度:初心者向け
コンサート、スポーツイベント、お祭りなどの単発警備です。休日やシフトの空きに合わせて働けるのが最大のメリット。日給10,000〜15,000円程度で、月2〜4回で月収2〜6万円の副収入が見込めます。
2. 他社での交通誘導警備
おすすめ度:資格保有者向け
建設現場や道路工事の交通誘導は、案件数が豊富で働きやすい副業です。交通誘導警備業務2級の資格があると、より高単価の現場を任されやすくなります。
3. 施設警備のスポット勤務
おすすめ度:経験者向け
商業施設やオフィスビルの施設警備を単発で請け負うパターンです。夜間帯や週末の需要が高く、日給12,000〜18,000円程度。施設警備の経験や資格があると優遇されます。
4. 防犯コンサルティング
おすすめ度:ベテラン向け
中小企業や店舗オーナー向けに、防犯対策のアドバイスを行う仕事です。業界経験10年以上の知識が求められますが、時給3,000〜5,000円と高単価です。
相談内容の例:
- 店舗の防犯カメラ設置位置のアドバイス
- 従業員向け防犯研修
- 警備計画の作成支援
5. 警備関連の講師・研修担当
おすすめ度:有資格者向け
警備員の新任教育や現任教育の講師、資格取得講座の講師などです。警備員指導教育責任者の資格保有者は特に需要があります。日給20,000〜50,000円と高収入ですが、指導経験が必須です。
副業で稼ぐための注意点|同業禁止・確定申告のルール
副業を始める前に、知っておくべき注意点を解説します。
確定申告が必要なケース
副業収入に対する確定申告のルールを押さえましょう。
| 副業収入(年間) | 確定申告 | 住民税申告 |
|---|---|---|
| 20万円以下 | 不要 | 必要 |
| 20万円超 | 必要 | 必要 |
年間20万円を超える副業収入がある場合は、翌年2〜3月に確定申告が必要です。確定申告をしないと、後から税務署に指摘される可能性があるので注意しましょう。
副業がバレないための対策
会社に副業を知られたくない場合の対策です。
-
住民税を「普通徴収」にする
- 確定申告時に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択
- これで会社に届く住民税通知に副業分が含まれなくなる
-
SNSでの発信を控える
- 副業内容をSNSに投稿しない
- 同僚の目に触れるリスクがある
-
本業と競合しない副業を選ぶ
- 同業での副業は発覚リスクが高い
- 異業種の副業なら発覚しにくい
本業に支障を出さないコツ
副業で疲れて本業に影響が出るのは本末転倒です。
- 月の副業日数は4〜6日程度に抑える
- 連勤を避け、休息日を確保する
- 体力的にきつい現場は避ける
- 睡眠時間を削らない
警備会社の独立開業とは|2つのパターンと収益性
副業で経験を積んだら、次のステップとして独立開業があります。
独立開業の2つのパターン
警備会社の独立には、大きく分けて2つのパターンがあります。
| パターン | 初期費用 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 完全独立 | 500万〜1,000万円 | 自由度が高い | 顧客開拓が大変 |
| FC加盟 | 300万〜800万円 | ブランド力活用可 | ロイヤリティ発生 |
完全独立
ゼロから自分の会社を立ち上げるパターンです。社名、サービス内容、価格設定など、すべて自分で決められる自由度の高さが魅力。ただし、顧客開拓や人材確保をすべて自力で行う必要があります。
向いている人:
- 業界で10年以上の経験がある
- 独立後に顧客になってくれる人脈がある
- 営業・経営に自信がある
フランチャイズ(FC)加盟
大手警備会社のフランチャイズに加盟するパターンです。本部のブランド力、営業支援、教育システムを活用できるため、未経験からでも開業しやすいのが特徴。
向いている人:
- 営業経験が少ない
- ブランド力を借りたい
- 教育・運営のノウハウを学びたい
ただし、売上の3〜10%程度のロイヤリティが発生し、運営上の制約もあります。
警備会社の収益構造
警備会社の収益は、主に顧客から受け取る警備料金と警備員に支払う人件費の差額です。
収益 = 警備料金 - 人件費 - 経費(事務所・車両・保険など)
例えば、1人日あたり18,000円で顧客に請求し、警備員に10,000円支払う場合、粗利は8,000円。警備員10人が月20日稼働すれば、月間粗利160万円となります。
独立に必要な資格・条件|警備員指導教育責任者は必須
警備会社を開業するには、法律で定められた条件を満たす必要があります。
必須の資格:警備員指導教育責任者
警備会社を開業するには、警備員指導教育責任者の資格保有者を配置することが義務付けられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | 警備員の新任教育・現任教育の実施 |
| 取得条件 | 警備業務検定1級または指導教育責任者講習修了 |
| 講習時間(1号警備) | 47時限(約7日間) |
| 講習費用 | 47,000円程度 |
警備員指導教育責任者の詳細は、「警備員指導教育責任者になるには|資格取得から年収アップまで徹底解説」で解説しています。
業務区分ごとの資格者配置
警備業務は1号〜4号に区分されており、行う業務区分ごとに指導教育責任者が必要です。
| 区分 | 業務内容 | 必要な資格者 |
|---|---|---|
| 1号 | 施設警備 | 1号の指導教育責任者 |
| 2号 | 交通誘導・雑踏警備 | 2号の指導教育責任者 |
| 3号 | 貴重品運搬警備 | 3号の指導教育責任者 |
| 4号 | 身辺警備 | 4号の指導教育責任者 |
複数の業務区分を行う場合は、それぞれの資格者が必要です。自分で資格を取得するか、有資格者を採用する必要があります。
欠格事由に該当しないこと
警備業法第3条により、以下に該当する人は警備業の認定を受けられません。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了から5年を経過しない者
- 警備業法違反で罰金刑を受け、5年を経過しない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者
- アルコール・薬物の中毒者
法人の場合は、役員全員が欠格事由に該当しないことが条件です。
独立前に取得しておきたい資格
独立を有利に進めるために、以下の資格も取得しておくと良いでしょう。
| 資格 | メリット |
|---|---|
| 警備業務検定1級(複数区分) | 対応できる業務範囲が広がる |
| 機械警備業務管理者 | 機械警備を行う場合に必須 |
| 防火管理者 | 施設警備で有利 |
| 普通自動車免許 | 営業・巡回に必須 |
開業資金と公安委員会への認定申請【2026年版】
警備会社の開業に必要な資金と手続きを解説します。
開業資金の目安
警備会社の開業には、500万〜1,000万円程度の初期費用が必要です。
| 項目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 事務所(賃貸・敷金) | 50〜150万円 | 自宅を営業所にすれば節約可 |
| 備品・設備 | 30〜100万円 | デスク、PC、電話、防犯設備など |
| 制服・装備品 | 50〜100万円 | 警備員10人分の場合 |
| 車両 | 0〜300万円 | 中古車やリースで節約可 |
| 認定申請費用 | 約2.3万円 | 手数料23,000円 |
| 運転資金(3〜6ヶ月) | 200〜400万円 | 人件費・経費の支払い用 |
初期費用を抑えるポイント:
- 自宅を営業所として登録する(条件あり)
- 制服・装備品は中古品を活用
- 車両はリースまたは中古車
- 警備員は最小人数からスタート
公安委員会への認定申請手続き
警備業を開始するには、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に認定申請を行います。
申請の流れ(2026年版)
| 手順 | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 1 | 必要書類の準備 | 2〜4週間 |
| 2 | 警察署への書類提出 | 1日 |
| 3 | 審査期間 | 約40日 |
| 4 | 認定証の交付 | 審査完了後 |
必要書類
- 認定申請書
- 役員の履歴書・住民票・身分証明書
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 警備員指導教育責任者資格者証の写し
- 営業所の使用権原を証する書面
- その他、都道府県により追加書類あり
申請費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 認定申請手数料 | 23,000円 |
| 認定有効期間 | 5年間 |
詳しい手続きは、警視庁「警備業の認定申請手続き」をご確認ください。
認定後の届出・更新
認定を受けた後も、以下の届出が必要です。
- 変更届:役員・営業所・指導教育責任者の変更時
- 更新申請:5年ごとの認定更新
- 廃業届:警備業を廃止する場合
警備会社経営の年収と成功のポイント
独立後の年収と、成功するためのポイントを解説します。
警備会社経営者の年収目安
警備会社経営者の年収は、会社規模と業績により大きく異なります。
| 会社規模 | 年収目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 小規模(〜10人) | 400〜700万円 | 開業1〜3年目 |
| 中規模(10〜50人) | 700〜1,500万円 | 軌道に乗った段階 |
| 大規模(50人以上) | 1,500万円〜 | 成功した経営者 |
注意点:開業後1〜3年は軌道に乗るまで時間がかかるため、自分の給料を抑えて会社に投資する覚悟が必要です。最初の1年は年収300万円以下、または無給の覚悟も必要かもしれません。
成功のポイント
1. 顧客獲得(営業力)
警備会社の成功は、安定した顧客の確保にかかっています。
効果的な営業先:
- 建設会社(交通誘導警備)
- ビル管理会社(施設警備)
- イベント会社(雑踏警備)
- マンション管理組合(巡回警備)
営業のコツ:
- 前職の人脈を最大限活用する
- 地域の商工会議所・業界団体に加入する
- 既存顧客からの紹介を増やす
- 東京都警備業協会などの協会活動に参加する
2. 人材確保・定着
警備業界全体が人手不足のため、人材確保は最大の課題です。
人材確保のポイント:
- 同業他社より高い給与水準を設定
- 福利厚生の充実(社会保険完備、有給取得推進)
- 資格取得支援制度
- 働きやすいシフト設計
3. 資金繰り管理
警備業は売掛金の回収サイクルが長い(月末締め翌月払いなど)ため、資金繰り管理が重要です。
- 3〜6ヶ月分の運転資金を確保
- 売掛金の回収管理を徹底
- 経費の見直しを定期的に行う
独立でよくある失敗と対策|体験談から学ぶ
独立で失敗しないために、よくある失敗パターンと対策を紹介します。
失敗パターン1:顧客が獲得できない
原因:独立前の人脈形成不足、営業経験の不足
体験談(Yahoo!知恵袋より)
「10年の経験があれば独立できると思っていましたが、現場経験だけでは顧客開拓ができませんでした。営業が苦手な人は、FCや共同経営を検討したほうがいいです」
対策:
- 独立前に営業先となる会社との関係を構築
- 最初の顧客を確保してから独立する
- 営業が苦手ならFC加盟を検討
失敗パターン2:人材が集まらない
原因:給与水準の低さ、労働条件の悪さ
体験談
「開業資金を節約するため、警備員の給与を低く設定したら、まったく応募がありませんでした。人件費をケチると人が集まらず、仕事を断ることになります」
対策:
- 同業他社並み以上の給与水準を設定
- 社会保険完備など最低限の福利厚生を用意
- 独立前から採用候補者と関係を構築
失敗パターン3:資金ショート
原因:運転資金の不足、売掛金回収の遅れ
体験談
「売上は上がっているのに、お金が回らなくなりました。お客さんからの入金は2ヶ月後なのに、警備員への給与は毎月払わないといけない。この時間差を甘く見ていました」
対策:
- 6ヶ月分以上の運転資金を確保
- 売掛金の回収条件を契約時に確認
- 資金繰り表を作成して管理
失敗パターン4:経営と現場の両立ができない
原因:自分も現場に出ざるを得ない状況
体験談
「警備員が足りないとき、自分が現場に入るしかない。そうすると営業や経理の時間がなくなり、悪循環に陥りました」
対策:
- 開業時から最低3〜5人の警備員を確保
- 経理・事務は外注やツールで効率化
- 自分が現場に出るのは最小限に
副業から段階的に独立する方法
いきなり独立するのはリスクが高いため、副業から段階的にステップアップする方法をおすすめします。
ステップ1:副業で収入基盤を作る(1〜2年)
まずは本業を続けながら、副業で警備の仕事を増やします。
目標:
- 月4〜6日の副業で月収5〜10万円
- 副業先との信頼関係構築
- 業界の人脈を広げる
この段階でやること:
- 就業規則を確認し、副業の許可を得る
- 単発案件から始めて実績を積む
- 将来の顧客候補(建設会社など)との接点を増やす
ステップ2:資格取得と資金準備(2〜3年)
独立に必要な資格を取得し、開業資金を貯めます。
目標:
- 警備員指導教育責任者の取得
- 開業資金500〜1,000万円の準備
- 独立後の顧客候補を3社以上確保
この段階でやること:
- 指導教育責任者講習の受講申込
- 毎月10〜20万円を開業資金として貯蓄
- 副業先や人脈から「独立したら発注する」という約束を取り付ける
ステップ3:副業の規模を拡大(独立直前)
独立前に副業の規模を拡大し、事実上の「試運転」を行います。
目標:
- 副業収入で月20〜30万円
- 採用予定の警備員2〜3人と合意
- 最初の顧客を確定
この段階でやること:
- 副業時間を増やし、独立後の生活をシミュレーション
- 一緒に独立してくれる仲間を募る
- 開業届・認定申請の準備
ステップ4:独立開業
準備が整ったら、いよいよ独立です。
独立のタイミング:
- 最初の顧客が確定している
- 警備員2〜3人の採用が決まっている
- 6ヶ月分の運転資金がある
独立後の最初の1年:
- 赤字覚悟で顧客基盤を固める
- 品質重視で信頼を積み上げる
- 紹介で顧客を増やす
まとめ
警備員の副業・独立について、重要なポイントを整理します。
副業のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法的制限 | 警備業法上は副業禁止の規定なし |
| 就業規則 | 会社ごとに異なる(要確認) |
| おすすめ副業 | 単発イベント警備、交通誘導(他社) |
| 確定申告 | 副業収入が年20万円超で必要 |
独立のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必須資格 | 警備員指導教育責任者 |
| 開業資金 | 500〜1,000万円 |
| 認定申請 | 手数料23,000円、審査約40日 |
| 経営者年収 | 規模により400万〜1,500万円以上 |
成功のカギ
- 顧客基盤を独立前に構築する
- 人材確保のために待遇を良くする
- 資金繰りに余裕を持たせる
- 副業から段階的にステップアップする
警備業界でのキャリアアップに興味がある方は、「警備員の昇進完全ガイド|班長・隊長・管理職への道」も参考にしてください。












