「警備員で班長や隊長になるには、どんな条件が必要?」「昇進すると年収はどれくらい上がる?」
結論からお伝えすると、警備業界は資格と実績次第で、入社3年目での班長昇進も十分可能です。一般警備員の年収230〜250万円から、隊長クラスで300〜400万円、管理職で500〜800万円と大幅な年収アップが実現できます。
この記事では、警備員の階級制度から各役職の昇進条件、年収の実態、昇進を加速させる戦略まで、2026年の最新情報をもとに徹底解説します。
警備員の階級制度とは
警備会社の階級制度は、一般企業とは異なる特徴があります。まずは業界の昇進システムを理解しましょう。
警備業界の組織構造
警備会社の組織は、現場で働く警備員から営業所・支店、本部へと階層構造になっています。
一般的な組織階層
| 階層 | 役職例 | 人数規模 |
|---|---|---|
| 本部 | 取締役・部長 | 経営層 |
| 支店・営業所 | 営業所長・課長 | 30〜100名を統括 |
| 現場管理 | 隊長・係長 | 10〜30名を統括 |
| 現場リーダー | 班長・主任 | 3〜10名を統括 |
| 現場 | 一般警備員 | - |
昇進の3つの評価軸
警備業界の昇進は、年功序列よりも実力主義・資格主義が重視されます。評価される3つの軸を理解しておきましょう。
1. 資格保有状況
警備業法に基づく国家資格「警備業務検定」の保有が昇進の必須条件です。多くの企業で2級は班長候補、1級は隊長候補の最低条件となっています。
2. 現場での実績
無事故記録、クライアント評価、後輩育成の成果など、数値化できる実績が評価されます。「担当現場で1年間無事故達成」「新人5名を検定合格に導いた」といった具体的な成果が重要です。
3. マネジメント能力
班長以上では、チームをまとめる能力が問われます。シフト調整、トラブル対応、クライアント折衝などの経験が評価ポイントになります。
大手と中小の昇進スピードの違い
大手警備会社と中小企業では、昇進環境に明確な違いがあります。
| 項目 | 大手警備会社 | 中小警備会社 |
|---|---|---|
| ポスト数 | 多い | 限られる |
| 競争 | 激しい | 緩やか |
| 昇進スピード | 標準的 | 早い傾向 |
| 研修制度 | 充実 | 会社による |
| 年収水準 | 高め | 会社による |
大手は役職ポストが多い反面、競争も激しいです。中小企業は人手不足で昇進が早い傾向がありますが、待遇面でばらつきがあります。
各役職の昇進条件と年収【一覧表】
各役職への昇進条件と年収の目安を一覧で確認しましょう。厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、警備員の平均年収は約354万円です。
役職別の昇進条件・年収一覧
| 役職 | 経験年数目安 | 必須資格 | 年収目安 |
|---|---|---|---|
| 一般警備員 | - | なし | 230〜280万円 |
| リーダー・主任 | 2〜5年 | 検定2級 | 280〜350万円 |
| 班長・係長 | 5〜8年 | 検定1級 | 350〜450万円 |
| 隊長・課長 | 8〜12年 | 指導教育責任者 | 450〜550万円 |
| 営業所長・支店長 | 12年以上 | 指導教育責任者 | 550〜800万円 |
年収アップの幅
昇進するごとに、年収は以下のように上がっていきます。
- 一般 → リーダー:+50〜70万円(役職手当+資格手当)
- リーダー → 班長:+70〜100万円(責任範囲拡大)
- 班長 → 隊長:+100〜150万円(管理職手当)
- 隊長 → 営業所長:+100〜250万円(業績連動賞与含む)
詳しい年収データは「警備員の年収を徹底分析|平均給与・業務別・年齢別」で解説しています。
リーダー・主任への昇進(2〜5年目)
警備員キャリアで最初の昇進ポジションがリーダー・主任です。小規模チーム(3〜5名程度)をまとめる役割を担います。
昇進条件
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 勤続年数 | 2〜5年(早い人は2年目で抜擢) |
| 必須資格 | 警備業務検定2級 |
| 推奨資格 | 普通救命講習、防火管理者 |
| 評価基準 | 出勤率95%以上、現場評価良好、後輩指導経験 |
求められる役割
- チーム内のコミュニケーション調整
- 新人への業務指導・OJT
- シフト調整の補助
- 現場での初動判断・報告
上司と部下の橋渡し役として、報告・連絡・相談を円滑に行う能力が求められます。
年収の目安
年収280万円〜350万円。月給20万円〜25万円に役職手当(月1万円〜3万円)と資格手当が加算されます。
検定1級を保有していれば、さらに資格手当が上乗せされ、年収350万円以上も可能です。
昇進のポイント
リーダーに抜擢されるためのポイントは以下の3つです。
- 資格を先に取得する:2級検定は入社1〜2年目で取得を目指す
- 勤怠を安定させる:出勤率95%以上は必須条件
- 後輩の面倒を見る:指導経験がリーダー候補として評価される
資格の取得方法は「警備業務検定とは|6種類の資格と取得方法を完全解説」で詳しく解説しています。
班長・係長への昇進(5〜8年目)
班長・係長は複数の現場や10名以上のチームを統括する中堅管理職です。現場実務から組織マネジメントへ役割が大きくシフトする転換点となります。
昇進条件
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 勤続年数 | 5〜8年(リーダー経験2年以上) |
| 必須資格 | 警備業務検定1級 |
| 推奨資格 | 複数の検定1級、防火管理者 |
| 評価基準 | リーダーとしての実績、クライアント対応能力、部下育成実績 |
求められる役割
- 複数現場のシフト管理・人員配置
- 現場トラブルの最終対応
- クライアント企業との連絡調整
- 現場の収支を意識した運営
この段階から経営的視点を養い始める時期です。担当現場がいくらの契約で、人件費がいくらかかっているかを意識した運営が求められます。
年収の目安
年収350万円〜450万円。月給25万円〜32万円に役職手当3万円〜5万円が加わります。
複数の1級資格(施設警備1級+交通誘導1級など)を保有していれば、年収450万円に達することも珍しくありません。
キャリアの分岐点
班長・係長の時期は、キャリアの重要な分岐点です。
- 現場管理のスペシャリストとして班長を続ける
- 隊長・課長を目指してマネジメント力を磨く
- より良い条件を求めて転職する
自分がどのキャリアを歩みたいかを考え始める時期です。
検定1級の取得方法は「施設警備業務検定1級とは?管理職を目指す資格取得ガイド」で解説しています。
隊長・課長への昇進(8〜12年目)
隊長・課長は営業所内の複数班を統括する上級管理職です。戦略的な業務改善や組織マネジメントに注力し、営業所全体の業務運営に責任を持ちます。
昇進条件
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 勤続年数 | 8〜12年(班長経験3年以上) |
| 必須資格 | 警備業務検定1級(複数保有が望ましい)、警備員指導教育責任者 |
| 評価基準 | 班長としての実績、大型契約の管理経験、部下育成での成果 |
求められる役割
- 複数の班長・係長の統括
- 営業所全体で30名〜100名規模の警備員を管理
- 各班の業績管理・収支分析
- 新規契約獲得のサポート
- 人材育成計画の立案・実行
年収の目安
年収450万円〜550万円。月給32万円〜42万円に役職手当月5万円〜8万円が相場です。
業績連動型賞与がある会社では、担当エリアの業績次第で年収600万円を超えるケースもあります。
必須資格:警備員指導教育責任者
隊長以上を目指すなら、「警備員指導教育責任者」資格が必須です。この資格は警備業法に基づく国家資格で、警備員の教育・指導を行う責任者として必要になります。
取得には検定1級合格後、実務経験を積んで講習を受講する必要があります。詳しくは「警備員指導教育責任者になるには|資格要件・講習内容・年収を徹底解説」をご覧ください。
管理職・幹部への昇進(12年目以降)
警備キャリアの頂点が営業所長・支店長クラスの管理職と本部幹部です。現場業務から完全に離れ、経営層に近い立場で組織運営や事業戦略に関わります。
昇進条件
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 勤続年数 | 12年以上(隊長経験3年以上) |
| 必須資格 | 警備員指導教育責任者、機械警備業務管理者(機械警備部門の場合) |
| 評価基準 | 営業所の業績向上実績、大口顧客の獲得・維持、組織マネジメント能力 |
営業所長・支店長の役割
営業所全体の損益責任を負う経営者的ポジションです。主な業務は以下の通りです。
- 売上目標の達成・コスト管理
- 人材採用・育成の責任
- 大口契約の獲得・維持
- クレーム対応の最終責任
- 本部への報告・連携
本部管理職への道
営業所長として実績を上げると、本部管理職へのキャリアパスが開きます。
- 人事部門:採用・教育研修の責任者
- 営業企画部門:新規事業開発・営業戦略立案
- 業務管理部門:品質管理・コンプライアンス
- 経営企画部門:経営戦略・事業計画
年収の目安
| 役職 | 年収目安 |
|---|---|
| 営業所長・支店長 | 550〜700万円 |
| 本部課長クラス | 600〜750万円 |
| 本部部長クラス | 700〜900万円 |
| 役員クラス | 900万円〜 |
大手警備会社の有価証券報告書によると、セコムの平均年収は約655万円、ALSOKは約620万円となっており、管理職クラスでは700〜800万円以上が一般的です。
詳しい企業データは「大手警備会社ランキング2026|売上・年収・評判で徹底比較」で紹介しています。
昇進を加速させる5つの戦略
昇進スピードを上げるための具体的な戦略を紹介します。実際に早期昇進を果たした人たちに共通するポイントです。
戦略1:計画的な資格取得
「昇進のチャンスが来てから資格を取る」では遅いです。入社時から計画的に資格を取得しましょう。
資格取得のロードマップ
| 時期 | 取得すべき資格 |
|---|---|
| 1〜2年目 | 配属先の検定2級(施設警備2級など) |
| 3〜5年目 | 検定1級へチャレンジ |
| 5〜8年目 | 複数の1級取得、指導教育責任者を目指す |
| 8年目以降 | 機械警備業務管理者など専門資格 |
資格は昇進の「必要条件」です。持っていなければ候補にすらなれないため、先取りで取得しておくことが重要です。
資格の難易度や取得順序は「警備員の資格難易度ランキング|検定・管理者資格で取りやすいのは?」で解説しています。
戦略2:実績の可視化
日々の業務成果を「見える形」で記録し、アピールすることが重要です。
記録すべき実績
- 無事故達成期間(○年○ヶ月連続)
- 後輩の資格合格実績(何名を合格に導いたか)
- クライアントからの評価・感謝状
- 改善提案の実施と効果
- トラブル対応の成功事例
月次報告や人事面談で、これらの実績を根拠に昇進を交渉しましょう。「何となく頑張っている」ではなく、「具体的な数字」で示すことが大切です。
戦略3:複数現場の経験を積む
1つの現場に長くいると視野が狭くなります。異なる環境での経験が管理職への道を開きます。
経験すべき現場の組み合わせ例
- 施設警備と交通誘導
- 大規模現場と小規模現場
- 日勤と夜勤
- 常駐警備と巡回警備
異動や新規案件への参加を積極的に志願しましょう。「どこに配置されても対応できる」人材が管理職として求められます。
戦略4:マネジメントスキルを磨く
班長以上になると、警備の技術以上にマネジメント力が問われます。
身につけるべきスキル
- シフト管理:公平で効率的な人員配置
- 部下育成:OJT、フィードバック、モチベーション管理
- トラブル対応:冷静な判断、クレーム処理
- コミュニケーション:上司への報告、クライアント折衝
これらのスキルは現場経験だけでなく、書籍やセミナーで意識的に学ぶことで効率的に身につけられます。
戦略5:社内人脈を構築する
昇進には「推薦」が必要な場合が多いです。上司や人事担当者との良好な関係が重要になります。
人脈構築のポイント
- 上司には報告・相談を密に行う
- 他現場の班長・隊長とも情報交換
- 研修や社内イベントに積極参加
- 本部スタッフとも挨拶・会話を心がける
「あの人なら任せられる」と思ってもらえる信頼関係を築くことが、昇進への近道です。
昇進試験の内容と対策
多くの警備会社では、班長以上の昇進に試験や面接が設けられています。試験の内容と対策を解説します。
昇進試験の形式
会社によって異なりますが、一般的な昇進試験は以下の形式です。
| 試験形式 | 内容 |
|---|---|
| 筆記試験 | 警備業法、現場管理の基礎知識 |
| 小論文 | 「理想のリーダー像」「現場改善案」など |
| 面接 | 志望動機、これまでの実績、今後のビジョン |
| 適性検査 | リーダーシップ、ストレス耐性など |
筆記試験対策
筆記試験では、警備業法と現場管理の知識が問われます。
出題範囲の例
- 警備業法の基本条文
- 警備員の欠格事由
- 書類作成・報告義務
- 労働安全衛生の基礎
- シフト管理・人員配置の基本
検定試験で学んだ内容が基礎になるため、検定合格者は有利です。
面接対策
面接では、以下のようなことが聞かれます。
よく聞かれる質問例
- なぜ昇進を希望するのか?
- これまでの業務で最も成果を上げたことは?
- 部下との関係でトラブルがあった場合、どう対処するか?
- 5年後のキャリアビジョンは?
回答のポイント
- 具体的なエピソードと数字を交えて話す
- 「チームのため」「会社のため」という視点を持つ
- 課題に対する解決策を提案する姿勢を見せる
小論文対策
小論文では、論理的な文章構成と具体的な提案力が評価されます。
出題テーマ例
- 「理想のリーダー像とは」
- 「現場の品質向上のためにできること」
- 「人手不足時代のチームマネジメント」
書き方のポイント
- 序論:テーマに対する結論を先に述べる
- 本論:理由や具体例を3つ程度挙げる
- 結論:自分なら何をするか、具体的に示す
よくある質問(FAQ)
警備員の昇進に関してよくある質問に回答します。
Q1. 未経験からでも班長になれますか?
A. なれます。 資格取得と実績次第で、入社3年目での班長昇進も可能です。
ただし、検定2級の取得が必須条件となる会社がほとんどです。入社後できるだけ早く資格を取得し、後輩指導などで実績を積むことが重要です。
Yahoo!知恵袋でも「未経験から3年で班長」という体験談が見られます。
Q2. 大手と中小、どちらが昇進しやすいですか?
A. 一概には言えませんが、中小企業の方が昇進スピードは早い傾向があります。
大手は研修制度が充実し、待遇も安定していますが、ポストの競争が激しいです。中小企業は人手不足もあり、能力があれば早期に責任あるポジションを任されます。
待遇の安定性と昇進スピード、どちらを優先するかで選ぶとよいでしょう。
Q3. 資格なしでも昇進できますか?
A. リーダークラスまでは可能な会社もありますが、班長以上は難しいです。
警備業法では、一定規模以上の現場には有資格者の配置が義務付けられています。そのため、管理職として現場を任されるには資格が必須となります。
昇進を目指すなら、早めに資格取得の計画を立てましょう。
Q4. 昇進すると勤務時間は増えますか?
A. 役職によります。
リーダーや班長は現場業務が中心なので、勤務時間は大きく変わりません。隊長以上になると、書類作成や会議が増え、現場以外の業務時間が増える傾向があります。
ただし、残業時間は会社によって大きく異なります。昇進前に先輩や上司に実態を確認しておくとよいでしょう。
Q5. 転職すると昇進リセットされますか?
A. 役職はリセットされますが、経験と資格は評価されます。
同業他社への転職であれば、前職での経験年数や保有資格が考慮され、一般警備員からではなくリーダークラスで採用されるケースもあります。
特に1級資格や指導教育責任者資格を持っていれば、転職先でも早期の昇進が期待できます。
まとめ
警備業界での昇進は、資格取得と実績の積み重ねで実現できます。
各役職への昇進条件まとめ
| 役職 | 必要条件 | 年収目安 |
|---|---|---|
| リーダー・主任 | 検定2級+2〜3年の実績 | 280〜350万円 |
| 班長・係長 | 検定1級+リーダー経験2年以上 | 350〜450万円 |
| 隊長・課長 | 指導教育責任者+班長経験3年以上 | 450〜550万円 |
| 管理職・幹部 | 経営視点+隊長経験3年以上 | 550〜800万円 |
昇進を加速させる5つの戦略
- 計画的な資格取得
- 実績の可視化
- 複数現場の経験
- マネジメントスキルの習得
- 社内人脈の構築
昇進を目指すなら、今日から計画的な資格取得と実績作りを始めましょう。
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