「施設警備業務検定1級を取得したいけど、どうすればいい?」「2級との違いは?」——結論からお伝えすると、施設警備業務検定1級は、2級取得後に1年以上の実務経験を積むことで受験資格が得られる上位資格です。1級を取得すると、空港や原子力施設など法律で有資格者の配置が義務付けられた現場で働けるようになり、管理職への道が開けます。この記事では、1級の受験資格、特別講習と直接検定の違い、2025〜2026年の試験日程、試験内容、合格率、配置基準、取得後のキャリアメリットまで詳しく解説します。
施設警備業務検定1級とは
施設警備業務検定1級は、警備業法に基づく国家資格です。2級が「施設警備の基本業務」を担うのに対し、1級は現場責任者・指導者としての高度な専門知識を証明します。
1級の有資格者は、以下の業務を担当できます。
- 空港・原子力施設など高度なセキュリティが求められる現場での警備
- 警備計画書に基づく業務の統括
- 部下の指揮・指導
- 緊急時の高度な判断と対応
2級との違い
| 項目 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|
| 受験資格 | 新任教育30時間以上 | 2級取得後、実務経験1年以上 |
| 役割 | 施設警備の基本業務 | 現場責任者・指導者 |
| 合格率(特別講習) | 65.5% | 62.8% |
| 配置義務 | 一般施設 | 空港・原子力施設 |
| 講習費用 | 33,000円 | 33,000円 |
| 直接検定費用 | 16,000円 | 16,000円 |
1級は2級取得者しか受験できないため、受験者の基礎力が備わっている前提で、より高度な専門知識が問われます。2級の取得方法については、以下の記事をご覧ください。
受験資格|2級取得後1年以上の実務経験が必要
施設警備業務検定1級を受験するには、以下の条件を満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 必須資格 | 施設警備業務検定2級を保有 |
| 実務経験 | 2級取得後、施設警備業務に1年以上従事 |
2級を取得した時点から実務経験のカウントが始まります。正社員・契約社員・アルバイトなど雇用形態は問いませんが、施設警備業務(1号警備)に従事している期間が対象です。実務経験の証明は、所属する警備会社から「実務経験証明書」を発行してもらいます。受験申し込み時に必要となるため、事前に準備しておきましょう。
資格取得の2つの方法【特別講習 vs 直接検定】
施設警備業務検定1級を取得するには、特別講習と直接検定の2つの方法があります。
特別講習とは
警備員特別講習事業センターなど、国家公安委員会の登録を受けた講習機関が実施する講習会です。学科講習と実技講習を受けた後、修了考査に合格すると資格が取得できます。
1級特別講習(2日間)
| 内容 | 時間 |
|---|---|
| 学科講習 | 7時限(1時限50分) |
| 実技講習 | 5時限 |
| 修了考査 | 4時限 |
| 講習料 | 33,000円(税込) |
※費用は警備員特別講習事業センターを参照。修了考査の合格基準は、学科・実技ともに90点以上です。
直接検定とは
講習を受けずに、各都道府県の公安委員会が実施する検定試験を直接受験する方法です。独学で学科・実技の両方に合格する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | 16,000円 |
| 合格基準 | 学科・実技ともに90点以上 |
注意点:学科試験に合格しなければ、実技試験は受験できません。
どちらを選ぶべき?比較表
| 比較項目 | 特別講習 | 直接検定 |
|---|---|---|
| 費用 | 33,000円 | 16,000円 |
| 合格率 | 約62〜66% | 20〜40% |
| 学習サポート | 講師から直接指導 | 独学 |
| 実技練習 | 講習内で練習可能 | 自主練習のみ |
| 開催頻度 | 年数回(地域による) | 年1〜2回 |
| おすすめ | 確実に合格したい方 | 費用を抑えたい経験者 |
特別講習の合格率は約62〜66%(警備員特別講習事業センターデータ)ですが、直接検定は**20〜40%**と難易度が高くなります。1級は講習・直接検定ともに開催頻度が2級より少ないため、日程の確認と早めの申し込みが重要です。
2025〜2026年 試験日程
2025〜2026年の施設警備業務検定1級の試験日程をまとめました。直接検定と特別講習で申し込み方法が異なります。
直接検定(警視庁)
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 学科試験 | 2025年7月5日(土) |
| 実技試験 | 2025年10月4日(土) |
| 電話受付 | 2025年5月19日(月)〜5月20日(火) |
| 申請受付 | 2025年5月28日(水)〜5月30日(金) |
| 定員 | 20名 |
| 受験料 | 16,000円 |
特別講習の開催頻度について
1級の特別講習は、2級に比べて開催回数が少ない傾向にあります。 1級の特別講習を希望する場合は、以下の方法で最新情報を確認してください。申し込みは会社単位で受け付けている協会が多いため、早めに上司や教育担当に相談しましょう。
- 警備員特別講習事業センターで全国の日程を検索
- 所属する警備会社を通じて各都道府県の警備業協会に問い合わせ
- 東京都警備業協会、大阪府警備業協会など各地域の協会サイトを確認
試験内容
施設警備業務検定1級の試験は、学科試験と実技試験の2部構成です。どちらも90点以上で合格となります。1級は2級の内容に加え、保安業務や警備計画書の運用、災害対応、部下への指導など、より実務的で高度な内容が問われます。
学科試験
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題数 | 20問 |
| 試験時間 | 60分 |
| 合格基準 | 90点以上(18問以上正解) |
| 形式 | 5肢択一マークシート |
主な出題範囲
- 警備業法の詳細規定
- 対象施設における保安業務
- 警備計画書に基づく警備業務
- 災害発生時の対応策
- 憲法・刑法・刑事訴訟法の基礎知識
- 出入管理・巡回業務の高度な知識
- 現場指揮・部下の指導方法
実技試験
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験科目 | 6科目 |
| 合格基準 | 90点以上 |
| 採点方式 | 減点方式 |
主な試験科目
- 出入管理要領:受付対応、不審者への対応
- 巡回要領:施設内巡回、異常発見時の対応
- 警報装置等への対応:機械警備システムの操作
- 不審物発見時の措置:爆発物等の発見対応
- 負傷者搬送要領:応急処置、搬送方法
- 部下への指導要領:1級特有の科目
実技試験は減点方式で、100点からスタートし、各科目終了時に90点を下回った時点で不合格となります。1級では2級の実技内容に加え、部下への指導や現場全体の統制など、より高度な実践力が求められます。
合格率と難易度
最新の合格率データ
| 方式 | 合格率 | 出典 |
|---|---|---|
| 特別講習(2023年度) | 66.0% | 警備員特別講習事業センター |
| 特別講習(累計) | 62.8% | 警備員特別講習事業センター |
| 特別講習 再試験(累計) | 63.5% | 警備員特別講習事業センター |
| 直接検定 | 20〜40% | 各都道府県により異なる |
1級の合格率は2級(65.5%)より若干低めですが、受験者全員が2級保有者であり、基礎力が備わっている前提での数値です。以下に、よくある不合格の原因と対策をまとめます。
よくある不合格の原因
- 1級特有の内容を軽視:2級の延長と考えて対策不足
- 警備計画書・保安業務の知識不足:1級で新たに加わる範囲への理解が浅い
- 指導要領の練習不足:部下への指示の出し方が曖昧
- 実技の動作が小さい:指導者としての存在感が不足
合格のための対策
- 特別講習の受講がおすすめ:講師から1級特有の内容を直接学べる
- 2級との違いを明確に理解:指導者・管理者としての視点を養う
- 実技は大きな動作と声:部下を指揮する立場として堂々と実演
- 警備計画書のサンプルを研究:実際の計画書を見て理解を深める
1級資格者の配置基準|空港・原子力施設で必須
施設警備業務検定1級の最大の特徴は、法律で有資格者の配置が義務付けられた施設で働けることです。警備員等の検定等に関する規則により、以下の施設では1級資格者の配置が義務付けられています。
空港における配置基準
| 配置場所 | 配置基準 |
|---|---|
| 空港敷地内 | 施設警備業務検定1級合格者を1名以上配置 |
| 旅客ターミナル施設 | 1級または2級合格者を1名以上配置 |
空港では、テロ対策など高度なセキュリティが求められるため、1級資格者の存在が不可欠です。原子力施設も国家の重要インフラであり、最高レベルのセキュリティが求められます。
原子力施設における配置基準
| 配置場所 | 配置基準 |
|---|---|
| 敷地内 | 施設警備業務検定1級合格者を1名以上配置 |
| 施設ごと | 1級または2級合格者を1名以上配置 |
1級資格者は希少性が高く、需要が安定しています。空港や原子力施設では1級資格者がいなければ業務を行えないため、資格保有者の市場価値は非常に高いといえます。
資格取得後のキャリアメリット
施設警備業務検定1級を取得すると、資格手当・昇進・転職など様々なメリットがあります。
資格手当で年収アップ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月額資格手当 | 5,000〜15,000円 |
| 年間換算 | 60,000〜180,000円 |
1級保有者は2級よりも高い資格手当が支給される企業が多く、複数の検定資格を持つとさらに加算されます。1級を取得すると、現場責任者・主任への昇進、空港・原子力施設への配属、後輩・部下の指導役、管理職への道など、キャリアパスが大きく広がります。
管理職への昇進
1級は管理職への登竜門となる資格です。施設警備のプロフェッショナルとして、キャリアを大きく広げることができます。転職市場でも高く評価され、「1級保有者優遇」と明記される求人が多数あり、空港・原子力施設の警備会社からのスカウトや大手警備会社への転職が有利になります。
まとめ
施設警備業務検定1級は、2級取得後に1年以上の実務経験を積むことで受験できる上位資格です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 2級取得後、実務経験1年以上 |
| 取得方法 | 特別講習(合格率62〜66%)または直接検定(合格率20〜40%) |
| 費用 | 特別講習33,000円、直接検定16,000円 |
| 試験内容 | 学科20問(90%以上)+実技6科目(90点以上) |
| 配置基準 | 空港・原子力施設で1級資格者の配置義務 |
| メリット | 月5,000〜15,000円の資格手当、管理職への昇進 |
1級は2級より開催頻度が少ないため、早めに日程を確認し、計画的に準備することが重要です。管理職として施設警備のキャリアを築きたいなら、2級取得後1年の実務経験を積み、1級取得にチャレンジしてみてください。
🔗 外部参照リンク
- 警備業法|e-Gov法令検索
- 警備員等の検定等に関する規則|e-Gov法令検索
- 警備員特別講習事業センター
- 警備員特別講習事業センター 合格率データ
- 警視庁 直接検定実施予定表
- 東京都警備業協会
- 大阪府警備業協会
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