「警備会社の管理職になりたいけど、どんな資格が必要?」「指導教育責任者と機械警備業務管理者、どっちを先に取ればいい?」
警備業界で管理職を目指すなら、警備業法で定められた管理者資格の取得が重要なステップです。本記事では、2つの管理者資格の概要と取得順序を解説し、あなたのキャリアに最適なルートを提案します。
警備業の管理者資格とは
警備業法では、警備会社に対して2種類の管理者資格保有者の配置を義務付けています。どちらも国家資格であり、警備会社の運営に不可欠な資格です。
警備業法で定められた2つの国家資格
| 資格名 | 配置義務 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 警備員指導教育責任者 | 営業所ごと・業務区分ごと | 警備員の指導・教育 |
| 機械警備業務管理者 | 機械警備の基地局ごと | 機械警備システムの管理 |
これらの資格がない状態で営業所を運営すると、公安委員会から営業停止命令や認定取消などの行政処分を受けることになります。そのため、警備会社にとって有資格者の確保は経営の最重要課題なのです。
なぜ管理者資格が必要なのか
警備業法では、以下の配置義務が定められています。
- 警備員指導教育責任者:すべての警備会社の営業所に必須
- 機械警備業務管理者:機械警備を行う会社の基地局に必須
この配置義務があるからこそ、資格保有者は警備業界で非常に高い価値を持ちます。資格を取得することで、管理職としてのキャリアが開け、年収アップにもつながります。
管理者資格を取ると何が変わるか
| 変化 | 内容 |
|---|---|
| 年収アップ | 月額2〜5万円の資格手当、年収+100〜150万円も可能 |
| キャリアアップ | 営業所責任者、幹部候補としての道が開ける |
| 転職市場での価値 | 法的に必須の人材として高評価 |
| 独立開業 | 警備会社を開業する際の必須要件 |
2つの管理者資格を比較【一覧表】
警備員指導教育責任者と機械警備業務管理者を、主要な項目で比較します。
| 比較項目 | 警備員指導教育責任者 | 機械警備業務管理者 |
|---|---|---|
| 配置義務 | 営業所ごと・業務区分ごと | 機械警備の基地局ごと |
| 受講資格 | 実務経験3年以上 or 検定資格 | 誰でも可(20歳以上) |
| 講習期間 | 5〜7日間 | 4日間 |
| 受講料 | 34,000〜47,000円 | 39,000円 |
| 修了考査 | 筆記試験(80%以上) | 筆記試験(80%以上) |
| 合格率 | 70〜90% | 80%以上 |
| 有効期限 | なし(終身資格) | なし(終身資格) |
最大の違いは「受講資格」です。
- 警備員指導教育責任者:実務経験が必要(未経験者は受講不可)
- 機械警備業務管理者:誰でも受講可能(20歳以上なら実務経験不要)
この違いが、どちらを先に取得すべきかの判断ポイントになります。
警備員指導教育責任者とは
警備員指導教育責任者は、警備員の指導・教育を行う責任者です。営業所ごと、かつ業務区分(1号〜4号)ごとに選任が義務付けられています。
役割と配置義務
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な役割 | 警備員の教育計画作成、法定教育の実施管理 |
| 配置義務 | 営業所ごと・業務区分ごとに1名以上 |
| 業務区分 | 1号(施設)、2号(交通・雑踏)、3号(運搬)、4号(身辺) |
受講資格(3つのルート)
| ルート | 受講資格 |
|---|---|
| 実務経験 | 直近5年間に当該業務に通算3年以上従事 |
| 2級検定 | 2級検定合格後、1年以上継続して業務に従事 |
| 1級検定 | 1級検定の合格証明書を保有 |
未経験者は受講できない資格です。警備業界で実務経験を積んでから取得を目指しましょう。
講習内容と費用
| 業務区分 | 講習時間 | 受講料 |
|---|---|---|
| 1号業務(施設警備) | 47時限(7日間) | 47,000円 |
| 2号業務(交通誘導・雑踏) | 38時限(6日間) | 38,000円 |
| 3号業務(運搬警備) | 38時限(6日間) | 38,000円 |
| 4号業務(身辺警備) | 34時限(5日間) | 34,000円 |
詳しい取得方法、講習日程、年収への影響は以下の記事で解説しています。
詳細記事: 警備員指導教育責任者になるには|資格要件・講習内容・年収を徹底解説
機械警備業務管理者とは
機械警備業務管理者は、警報機器やセンサーなどの機械警備システムを管理する専門家です。機械警備を行う警備会社の基地局ごとに選任が義務付けられています。
役割と配置義務
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な役割 | 機械警備システムの運用監督、警備員への指令統制 |
| 配置義務 | 機械警備の基地局ごとに1名以上 |
| 対象業務 | セコム、ALSOKなど機械警備を行う会社 |
受講資格(誰でも受講可能)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢制限 | 20歳以上 |
| 実務経験 | 不要 |
| 資格要件 | 特になし |
| 欠格事由 | 警備業法第3条に該当しないこと |
警備業界未経験でも受講できるのが最大の特徴です。
講習内容と費用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 講習期間 | 4日間(講習3日+考査1日) |
| 受講料 | 39,000円 |
| 資格者証交付手数料 | 9,800円 |
| 合計費用 | 約48,800円 |
詳しい取得方法、講習日程、転職での活用法は以下の記事で解説しています。
詳細記事: 機械警備業務管理者とは?誰でも取得可能な管理者資格を徹底解説
どちらを先に取得すべきか【キャリア別】
キャリアの状況に応じて、取得すべき資格の優先順位が変わります。
警備業界未経験者 → 機械警備業務管理者から
警備業界で働いた経験がない方は、まず機械警備業務管理者から取得しましょう。
理由:
- 実務経験不要で受講できる唯一の管理者資格
- 講習期間が4日間と短い
- 機械警備会社への転職で有利になる
- 資格取得後、実務経験を積みながら指導教育責任者を目指せる
【未経験者の取得ルート】
機械警備業務管理者 取得
↓
警備会社に入社(実務経験を積む)
↓
2級検定 取得 → 1年以上実務
↓
警備員指導教育責任者 取得
現役警備員 → 警備員指導教育責任者を目指す
すでに警備会社で働いている方は、警備員指導教育責任者を目指しましょう。
理由:
- 実務経験があれば受講資格を満たしている可能性が高い
- 営業所の教育担当として選任される道が開ける
- 現在の勤務先でのキャリアアップに直結する
検定資格を持っていれば、より早く受講資格を満たせます。「警備業務検定とは|6種類の資格と取得方法を完全解説」も参考にしてください。
管理職・独立を目指すなら → 両方取得
警備会社の幹部や独立開業を目指す方は、両方の資格取得を目指しましょう。
理由:
- 多くの警備会社は人的警備と機械警備の両方を行っている
- 両資格保有者は希少価値が高い
- 幹部候補として優遇される
- 独立開業時に自分が責任者になれる
両方取得するメリット
両方の資格を保有することで、警備業界でのキャリアの選択肢が大きく広がります。
年収への影響(資格手当の二重取り)
多くの警備会社では、管理者資格保有者に対して資格手当を支給しています。
| 資格 | 資格手当の目安(月額) |
|---|---|
| 警備員指導教育責任者 | 2〜5万円 |
| 機械警備業務管理者 | 1〜3万円 |
| 両方保有 | 3〜8万円 |
一般警備員の年収が300〜400万円程度なのに対し、管理者資格を両方保有すると年収450〜600万円程度が見込めます。
さらなる年収アップを目指す方は「警備員で年収500万円を目指すロードマップ」も参考にしてください。
転職市場での価値
両資格保有者は転職市場で非常に高く評価されます。
- 営業所の開設・運営に必要な人材として重宝される
- 幹部候補として優先的に採用される
- 給与交渉で有利に働く
警備会社にとって、法律で配置が義務付けられている有資格者の確保は最重要課題です。両資格を持っていれば、転職活動で困ることはほぼありません。
警備会社の独立開業に必須
将来的に警備会社の独立開業を考えている方は、両方の資格が必要です。
警備業法では、警備会社を開業する際に営業所ごとの警備員指導教育責任者の配置を義務付けています。機械警備業務を行う場合は、機械警備業務管理者も必要です。
自分自身が資格を持っていれば、最小限の人員で開業できます。「警備員のキャリアパス完全ガイド|一般警備員から管理職」で、独立開業までのキャリアパスを確認できます。
よくある質問
Q: 警備業界未経験でも取得できる管理者資格はありますか?
A: はい、機械警備業務管理者は実務経験不要で誰でも受講できます。20歳以上で、警備業法の欠格事由に該当しなければ受講可能です。一方、警備員指導教育責任者は実務経験が必要なため、未経験者は受講できません。
Q: 両方の資格を同時に取得できますか?
A: 講習日程が重ならなければ、同時期に取得を目指すことは可能です。ただし、警備員指導教育責任者は受講資格を満たしている必要があります。未経験の方は、まず機械警備業務管理者を取得し、実務経験を積んでから警備員指導教育責任者を目指すのが現実的です。
Q: 資格に有効期限はありますか?
A: 両資格とも有効期限はありません(終身資格)。一度取得すれば更新手続きなしで有効です。ただし、選任されている間は定期講習の受講が義務付けられる場合があります。
Q: どちらの資格が難しいですか?
A: 難易度は大きく変わりません。両方とも講習をしっかり受講すれば合格できるレベルです。合格率は警備員指導教育責任者が70〜90%、機械警備業務管理者が80%以上とされています。
まとめ:管理者資格でキャリアを切り開く
警備会社の管理者になるために必要な2つの資格をまとめました。
| 項目 | 警備員指導教育責任者 | 機械警備業務管理者 |
|---|---|---|
| 配置義務 | 営業所ごと | 機械警備の基地局ごと |
| 受講資格 | 実務経験が必要 | 誰でも可 |
| おすすめ対象 | 現役警備員 | 未経験者・転職希望者 |
| 詳細記事 | 指導教育責任者の詳細 | 機械警備業務管理者の詳細 |
キャリア別おすすめルート:
| あなたの状況 | おすすめ資格 |
|---|---|
| 警備業界未経験 | 機械警備業務管理者から取得 |
| 現役警備員 | 警備員指導教育責任者を目指す |
| 管理職・独立を目指す | 両方取得がベスト |
管理者資格を取得することで、年収アップ、管理職への昇進、転職市場での価値向上、独立開業の道など、キャリアの選択肢が大きく広がります。
まずは自分の状況に合った資格から取得を目指し、警備業界でのキャリアアップを実現してください。













