「警備員にはどんな資格があるの?」「どの資格から取ればいいの?」
警備員の資格は大きく分けて警備業務検定6種類と管理者資格2種類があります。この記事では、警備員の資格体系を俯瞰し、経験年数別の取得順序を解説します。
警備員の資格体系【全種類一覧】
警備員が取得できる資格は、警備業法に基づく国家資格です。現場スキルを証明する「検定資格」と、組織運営に必要な「管理者資格」の2系統があります。
資格の3カテゴリ
| カテゴリ | 資格名 | 役割 |
|---|---|---|
| 検定資格 | 警備業務検定(6種類) | 現場での専門知識・技能を証明 |
| 管理者資格 | 警備員指導教育責任者 | 警備員の教育・指導を統括 |
| 管理者資格 | 機械警備業務管理者 | 機械警備システムを管理 |
資格体系図
【警備員の資格体系】
┌─────────────────────────────────────────────────────┐
│ 警備業務検定(6種類) 管理者資格(2種類) │
│ ───────────────── ───────────────── │
│ ├ 施設警備業務検定 ├ 警備員指導教育責任者 │
│ ├ 交通誘導警備業務検定 │ └ 教育業務を統括 │
│ ├ 雑踏警備業務検定 │ │
│ ├ 貴重品運搬警備業務検定 └ 機械警備業務管理者 │
│ ├ 空港保安警備業務検定 └ 機械警備を統括 │
│ └ 核燃料物質等危険物運搬 │
│ 警備業務検定 │
└─────────────────────────────────────────────────────┘
↓ ↓
現場の専門性を高める 管理職・独立を目指す
現場の専門性を高めるなら検定資格、管理職や独立開業を目指すなら管理者資格へとキャリアを発展させていくのが一般的なルートです。
警備業務検定6種類【一覧比較表】
警備業務検定は、警備業務の種類ごとに6つに分かれています。それぞれに1級と2級があり、2級は誰でも受験可能、1級は2級取得後1年以上の実務経験が必要です。
6種類の比較表
※合格率は警察庁「令和5年における警備業の概況」の特別講習修了考査データより ※4号警備(身辺警護・ボディガード)には検定制度がありません
1級と2級の違い
| 項目 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|
| 受験資格 | 誰でも可(18歳以上) | 2級取得後、実務経験1年以上 |
| 役割 | 現場での警備業務 | 現場責任者・管理職 |
| 資格手当 | 月5,000〜10,000円 | 月10,000〜20,000円 |
おすすめの第一歩
初めて資格を取る方には、施設警備2級か交通誘導2級がおすすめです。
- 受験者が多く情報が豊富:テキストや過去問の入手が容易
- 需要が高い:求人でも資格保有者を優遇する傾向
- 汎用性が高い:多くの現場で活かせる
各検定の詳細(試験内容・講習日程・合格のコツ)は、以下の記事で解説しています。
管理者資格2種類【一覧比較表】
管理者資格は、警備会社の運営に必要な責任者の資格です。警備業法で営業所への配置が義務付けられているため、資格保有者は非常に重宝されます。
2種類の比較表
| 比較項目 | 警備員指導教育責任者 | 機械警備業務管理者 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 警備員の教育・指導 | 機械警備システムの管理 |
| 配置義務 | 営業所ごと・業務区分ごと | 機械警備の基地局ごと |
| 受講資格 | 実務経験3年以上 or 検定資格 | 誰でも可(20歳以上) |
| 講習期間 | 5〜7日間 | 4日間 |
| 費用 | 34,000〜47,000円 | 約48,800円 |
| 合格率 | 70〜90% | 80%以上 |
警備員指導教育責任者
警備会社の教育業務を統括する責任者です。新任教育や現任教育の計画・実施を担当します。
受講資格(いずれかを満たすこと)
- 直近5年間に通算3年以上の実務経験
- 2級検定合格後、1年以上継続して業務に従事
- 1級検定の合格証明書を保有
実務経験が必要なため、警備業界未経験者は受講できません。
機械警備業務管理者
セコムやALSOKなど、警報機器を使った機械警備を管理する責任者です。
受講資格
- 20歳以上であれば誰でも受講可能(実務経験不要)
警備業界未経験でも取得できる唯一の管理者資格です。機械警備会社への転職を考えている方は、入社前に取得しておくと有利になります。
管理者資格の詳細(講習内容・費用・キャリア別の取得順序)は、以下の記事で解説しています。
どの資格から取得すべきか【経験年数別ロードマップ】
資格は闇雲に取得するのではなく、キャリア目標に合わせて計画的に取得することが重要です。経験年数別のおすすめルートを紹介します。
未経験〜1年目:まず2級検定から
警備員として働き始めたら、まず自分の業務に関連する2級検定の取得を目指しましょう。
| 担当業務 | おすすめ資格 |
|---|---|
| 施設警備(ビル・商業施設) | 施設警備業務検定2級 |
| 交通誘導(道路工事現場) | 交通誘導警備業務検定2級 |
| イベント警備 | 雑踏警備業務検定2級 |
取得方法
- 警備員特別講習事業センターなどの講習を受講
- 講習期間:2日間、費用:約33,000円
- 合格率:60〜70%(講習をしっかり受ければ合格可能)
2〜3年目:1級検定と複数資格
2級取得後、1年以上の実務経験を積むと1級検定を受験できます。
この時期に目指すこと
- 1級検定の取得(現場責任者への道)
- 別の業務区分の2級取得(配置できる現場の幅を広げる)
1級取得者は現場責任者として配置されることが多く、班長や隊長への昇進条件となる企業もあります。
4年目以降:管理職を目指す
検定資格を取得したら、管理者資格を目指すことで管理職への道が開けます。
おすすめルート
【4年目以降のキャリアルート】
検定1級 取得済み
↓
警備員指導教育責任者 取得
↓
営業所の教育担当として選任
↓
(機械警備会社の場合)
機械警備業務管理者 取得
↓
営業所責任者・管理職へ
経験年数別の取得可能資格一覧
| 経験年数 | 取得可能な資格 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 1年目 | 検定2級 | まず2級取得 |
| 2年目 | 検定2級(別種) | 複数の2級で幅を広げる |
| 3年目 | 検定1級 | 1級で現場責任者へ |
| 4年目〜 | 警備員指導教育責任者 | 管理職への道 |
| いつでも | 機械警備業務管理者 | 未経験でも取得可 |
資格取得が年収に与える影響
資格取得は確実に収入アップにつながります。資格手当の支給に加え、昇進や転職での評価向上も期待できます。
資格手当の目安一覧
| 資格 | 資格手当(月額) | 年収換算 |
|---|---|---|
| 検定2級 | 5,000〜10,000円 | +6〜12万円 |
| 検定1級 | 10,000〜20,000円 | +12〜24万円 |
| 警備員指導教育責任者 | 20,000〜50,000円 | +24〜60万円 |
| 機械警備業務管理者 | 10,000〜30,000円 | +12〜36万円 |
複数の検定を取得している場合、それぞれに資格手当が支給される企業もあります。例えば、施設警備2級と交通誘導2級の両方を持っていれば、合計で月10,000〜20,000円の手当が期待できます。
キャリア別年収モデル
資格取得と経験を積むことで、年収は段階的に上昇します。
| キャリアステージ | 年収目安 |
|---|---|
| 未経験1年目(一般警備員) | 280万円〜320万円 |
| 経験3年目(検定2級取得) | 320万円〜380万円 |
| 経験5年目(検定1級・指導教育責任者) | 400万円〜480万円 |
| 管理職(営業所責任者) | 500万円〜650万円 |
年収の詳細分析は、以下の記事をご覧ください。
どの資格が取りやすいか【難易度サマリー】
「どの資格が取りやすいか」は、合格率だけでなく受講資格も考慮する必要があります。
取得しやすさランキング(総合)
| 順位 | 資格名 | 合格率 | 未経験OK | 取得しやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 機械警備業務管理者 | 80%以上 | ○ | ★★★★★ |
| 2位 | 貴重品運搬警備業務検定2級 | 71.0% | △ | ★★★★★ |
| 3位 | 雑踏警備業務検定2級 | 70.9% | △ | ★★★★★ |
| 4位 | 施設警備業務検定2級 | 65.5% | △ | ★★★★☆ |
| 5位 | 交通誘導警備業務検定2級 | 59.8% | △ | ★★★☆☆ |
※「未経験OK」は警備業界での実務経験なしで受講可能かどうか
ポイント
- 機械警備業務管理者は合格率80%以上かつ未経験でも受講可能
- 検定資格は「誰でも受験可能」だが、独学での合格は難しいため講習受講が現実的
各資格の難易度の詳細比較は、以下の記事をご覧ください。
よくある質問
警備員の資格取得についてよくある質問をまとめました。
Q1: 未経験でも取れる資格はありますか?
A: はい、機械警備業務管理者は20歳以上であれば誰でも受講可能です。警備業務検定2級も受験資格に制限はありませんが、講習を受けずに合格するのは難しいため、警備会社に入社してから会社の支援を受けて取得するのが一般的です。
Q2: 複数の資格を持つメリットは?
A: 複数の検定を取得すると、それぞれに資格手当が支給される場合があります。また、配置できる現場の幅が広がり、会社からの評価が高まります。施設警備と交通誘導など、異なる業務区分の検定を組み合わせると特に有効です。
Q3: 資格取得にかかる費用は?
A: 主な費用は以下の通りです。
| 資格 | 費用の目安 |
|---|---|
| 検定2級(特別講習) | 約33,000円 |
| 検定1級(特別講習) | 約33,000円 |
| 警備員指導教育責任者 | 34,000〜47,000円 |
| 機械警備業務管理者 | 約48,800円 |
多くの警備会社では資格取得支援制度があり、費用の一部または全額を会社が負担してくれます。入社前に確認しておきましょう。
Q4: 資格に有効期限はありますか?
A: 警備業務検定、警備員指導教育責任者、機械警備業務管理者のいずれも有効期限はありません(終身資格)。一度取得すれば更新手続きなしで有効です。
まとめ:計画的な資格取得でキャリアアップを実現
警備員の資格体系は、現場スキルを証明する警備業務検定6種類と、組織運営を担う管理者資格2種類に分かれています。
資格体系のまとめ
| カテゴリ | 資格 | ポイント |
|---|---|---|
| 検定資格 | 警備業務検定(6種類) | 2級は誰でも受験可、1級は2級取得後1年以上 |
| 管理者資格 | 警備員指導教育責任者 | 実務経験が必要、営業所に配置義務 |
| 管理者資格 | 機械警備業務管理者 | 未経験でも取得可能、機械警備会社に配置義務 |
経験年数別のおすすめ資格
| あなたの状況 | おすすめ資格 |
|---|---|
| 警備業界未経験 | 機械警備業務管理者(唯一の未経験OKの管理者資格) |
| 警備員1〜2年目 | 業務に関連する検定2級 |
| 警備員3年目〜 | 検定1級で現場責任者を目指す |
| 管理職を目指す | 警備員指導教育責任者 |
まずは自分の業務に関連する2級検定の取得を目指し、その後は1級、指導教育責任者と段階的にキャリアアップしていくのが王道のルートです。資格取得は収入アップに直結するため、計画的に取り組んでいきましょう。
📕 関連記事はこちら

















